18年ぶりの優勝へのカウントダウンが始まった阪神の岡田監督の何がどう変わったのか(写真・黒田史夫)
なぜ“アレ”へ秒読み段階に入った阪神の岡田監督はベンチでよく笑うのか…10年の充電期間を“肥やし”にした指揮官の変化
2005年は、ウィリアムス、藤川、久保田の勝利方程式「JFK」を作り、勝ちゲームでは、連投も辞さなかったが、今回はブルペンの層を厚くして、休養を与えながら起用した。連投した投手をベンチ入りさせず家に帰したこともあった。先発投手陣に関してもそうだ。6人ではなく、8、9人を用意して、調子を見ながら青柳や西勇ら実績のある投手でさえ、結果が出なければ、2軍で調整させて1年間回した。その中から村上、大竹という想定外の軸が出てきた。
昨秋キャンプでは「一塁大山」「二塁中野」、「三塁佐藤」のコンバートを断行した。二遊間、内外野の連携に力を入れるなど、守りを固めた野球は、これまでと同じだが、打線の強化には「ボールの見極め」という基本から入った。2005年は「任せた」が、今回は、細かい部分から手を尽くし、結果、四球数がリーグトップになった。若手を意識した指導方法の変化である。
いよいよ“変わった”岡田監督が就任1年目にしてセ・リーグの頂点に立つ。
Xデーは最短で14日。
「1年でほんまにここまでくるとはな。お前、想像できた?」
野球を知り尽くしている百戦錬磨の岡田監督が指揮を執るのであれば、ここまでくることは容易に想像はできたけれど…10年の充電期間を岡田監督が、これほどまでにプラスに転じさせるとは予想だにつかなかった。岡田監督もまた65歳にして進化したのだ。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)