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巨人に連勝してマジック「1」とした阪神の岡田監督。巨人との明暗はどこにあったのか?(資料写真・黒田史夫)
巨人に連勝してマジック「1」とした阪神の岡田監督。巨人との明暗はどこにあったのか?(資料写真・黒田史夫)

「岡田監督の輝く采配力と原監督の“器”の差」…阪神がついに“アレ”へマジック「1」…球界大御所が語る阪神と巨人の明暗

 一方の原監督にとっては屈辱的な連敗となった。3位の横浜DeNAが中日に連敗してくれたおかげで、CS圏内までの1.5差は変わらなかったが、阪神にはまったくの無抵抗でやられた。目の前で胴上げを見る可能性を自ら招いてしまったのである。
 巨人の大物OBで西武、ヤクルトで監督を務めた広岡達朗氏は、「まるでオープン戦を見ているようだった」と、巨人の連敗を表現し、17.5ゲーム差も開いた阪神と4位に低迷している巨人の違いを厳しく論評した。
「岡田は素晴らしい野球をしている。これまでの経験や失敗から多くを学び、その采配は輝いている。選手の力を把握して、その使い方がうまい。守り勝つ野球、すなわち投手力を軸にした負けない野球をやってきた。そういうチームをキャンプから作り上げてきた。コーチも岡田の意図をくみ取り、選手に落とし込んでいるように見える。一方の巨人はどうだ?最後の最後までどんな野球を目指しているのかが見えなかった。大久保のアーリーワークの効果はどこにあったのか。コーチは何を教えていたのか。明らかに監督、コーチの差が出た。あえて厳しく言うが、原は監督の器ではないのかもしれない。OBとして歯がゆい。こんなに早くも優勝の王手がかかるほど阪神を独走させた原因のひとつには巨人のていたらくがある。他の4球団も阪神に星をプレゼントしてきてはいたが…」
 広岡氏は、さらにこう分析した。
「先発でピッチングのすべてをわかっているのは戸郷と菅野だけ。とっかえひっかえ使ってきた中継ぎ陣を整備できず、頼りの大勢も今季はダメだった。阪神は次から次へと先発が出てきてブルペンが強固だった。阪神の投手は逃げずにストライクゾーンで勝負できる。対照的に巨人の投手は、打たれることを怖がってボールが先行するという悪循環。与えた四球数はかなり違うんじゃないか」
 そもそもチーム防御率は、阪神のリーグトップ2.61に対して巨人は5位の3.57と約1点も違うのだが、広岡氏が指摘したように与四球も阪神がリーグ最少の276個で、巨人が5位の373個で97個も違っている。被本塁打数も阪神のリーグ最少76本に対して巨人は5位の118本となっている。
 広岡氏は攻撃面での違いも指摘した。それは「つなぎの野球」だ。
「阪神は近本、中野の1、2番コンビが機動力を含めて機能しているし、丁寧に四球を選び、つなぎの野球ができている。つなぐから8番の木浪がポイントゲッターにもなってきた。一方の巨人は小技ができずに打線がつながらない。門脇はガッツがあるし、秋広は可能性を見せてくれている。若い選手に楽しみはあるが、チームとして生かし切れていない」

 

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