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オリックスの本拠地Vは27年ぶりだ(写真・月岡陽一/アフロ)
オリックスの本拠地Vは27年ぶりだ(写真・月岡陽一/アフロ)

なぜオリックスは46年ぶりの3連覇を果たせたのか…レギュラーを固定せず吉田正尚の穴を埋めた“中嶋マジック”

 そして3連覇を支えたのは盤石な投手力である。
 チーム防御率2.62は、リーグトップ。WBCの侍ジャパンに山本、宮城、宇田川、山崎颯一郎と4人を送り出したにもかかわらず、開幕投手に抜擢した山下が期待に応え、山岡を中継ぎに配置転換したことで、7月30日から先発抜擢した育成出身の6年目の東が、無傷の6連勝。勝利、防御率、奪三振の投手“3冠”を独走している山本、3年連続2桁勝利をマークして勝率でリーグトップの宮城、9勝5敗の山崎福らの先発陣がゲームを作った。
 加えてブルペン陣は、山崎颯一郎、宇田川、阿部、山田、平野の5人が防御率1点台。ブルペンについた勝ち星の18勝が示すように、彼らの踏ん張りが、数多くの逆転劇を呼び込んだ。
「先発に山本という手本になる投手がいて、森が若い投手をうまくリードしたことで、投手陣に波がなかった。ブルペンの層が厚く、どの投手もとにかくストレートが速い。先発より速い投手が出てくれば、打者は対応が難しい。そして中嶋監督がうまく休ませながら中継ぎの8人を回転させたことで。平野に26セーブを積み上げさせる余裕ができていた」
 池田氏もそう評価した。
 14勝6敗で防御率1.32の山本は、9日のロッテ戦で2年連続となるノーヒットノーランを達成して、優勝を加速させた。
「(ノーヒッターは)運良く達成できた。全試合勝てるわけではない。負けた試合もあったし、いいところも悪いところもたくさん出た。最後までしっかりと腕を振りたい」
 山本は謙虚に3連覇のシーズンを振り返った。
 次なる目標は、クライマックスシリーズを突破しての日本シリーズでの連覇達成となる。
 中嶋監督は、「クライマックスをしっかり勝って、日本シリーズに行って、ハッキリとは言いたくはないですけど日本一を目指して頑張りたい」と満場のファンに連続日本一を約束した。
 CS突破に特別の思いがあるのは森だ。
 西武時代に2018年、2019年とパ・リーグで連覇したにもかからず、CSでソフトバンクに続けて敗れ、日本シリーズの舞台に進めなかった。
「2回ともシリーズに行けいない。勝って日本一になりたいなと」
 それぞれの思いを胸に最強オリックスが次なる高みを目指す。
(文責・RONSPO編集部)

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