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日本代表の森保監督は来年3月のアジア予選アウェーでの北朝鮮戦を警戒(写真・アフロ)
日本代表の森保監督は来年3月のアジア予選アウェーでの北朝鮮戦を警戒(写真・アフロ)

なぜ森保監督は“暴挙”を犯した北朝鮮との戦いに“警戒令”を発令したのか…「ラフプレーは我々にコントロールできない」

 JFAは3日付でアジアサッカー連盟(AFC)と国際サッカー連盟(FIFA)に、反スポーツ的行為があったとして該当場面の映像を添付した意見書を提出している。この日の会見では、その北朝鮮に対して抱いたイメージも森保監督に問われた。
 その問題の試合をテレビで観戦していた指揮官は「私の答えられることで、ピッチ上のことで話をさせていただければ」と断りを入れた上で、来年3月の戦いをダブらせていたと明かした。
「激しく厳しい局面の戦いがすごく多いと感じたし、日本の選手がレイトタックルなどで怪我をしなければ、という思いもあった。そのなかで今度はわれわれA代表との戦いも想像しながら、いまはJリーグでも激しく厳しい試合が多いし、ヨーロッパでプレーしている選手たちは、もしかすると普段からそれ以上に激しく厳しいなかでプレーしていると想像できる。なので、選手は普段からやっていることに自信を持って、乗り越えてくれるんだろうな、と」
 しかし、一線を大きく越えたラフプレーとなると次元が異なる。
アジア大会では北朝鮮のシン・ヨンナム監督が「サッカーには対立がつきものであり、われわれは許容されると思っている」と悪びれずに語ったように、W杯予選でも日本が標的にされる可能性は高い。それでも森保監督は「ラフプレーにおいては、われわれにコントロールできるところではない」と前置きした上で、戦いに臨む覚悟を説いた。
「なので、選手たちには恐れることなく、普段通りのプレーをしてほしいということと、ジャッジに関してはレフェリーに任せたい。レフェリーが選手たちを守ってくれる、ということを信じて戦いに挑みたいと思っています」
 レフェリーに毅然としたジャッジを促す上でも選手の安全を守るために必要な措置を求めた意見書は意味を持ってくる。ただ、戦いはピッチの上だけではない。特に北朝鮮とのアウェイ戦ではピッチ外の戦いにも神経をすり減らした過去がある。
 イタリア人のアルベルト・ザッケローニ監督時代の日本は、W杯アジア3次予選で北朝鮮と同じグループに入り、2011年11月15日に敵地・平壌での戦いに臨んだ。結果から先に言えば、日本は0-1でザックジャパン17戦目にして初黒星を喫した。
 この一戦はキックオフまで苦難の連続だった。
 当時の日本はタジキスタン代表とのアウェイ戦から中国・北京経由で平壌入りし、中3日の強行スケジュールで北朝鮮戦に臨んだ。すでにアジア最終予選進出を決めていた日本は主力の遠藤保仁や香川真司らを先発から外したが、それだけが敗れた理由ではない。
 JFAが年度ごとに作成・公表している事業報告書の2011年度版では、冒頭部分で22年ぶりに臨んだ平壌でのアウェイ戦に関する記述が見られる。

 

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