なんともトホホな北朝鮮女子サッカー…日本戦で大量失点のGK途中交代はやはり“懲罰”で采配を巡り“首脳陣内紛”まで起きていた
中国・杭州で開催中のアジア大会女子サッカー決勝(6日)で日本代表に大敗した北朝鮮代表のリ・ユイル監督が、後半途中でゴールキーパーを“懲罰交代”させた理由を明らかにした。7日に複数の韓国メディアが、同監督の「守備陣、特にキーパーに一番大きな問題があった」という試合後コメントを伝えたもの。北朝鮮の首脳陣に内紛が起きていた事実も指摘された。また日本戦で“暴挙”を繰り返した北朝鮮の男子代表には、厳罰が科せられる方向で、傍若無人ぶりを露呈した北朝鮮サッカー界を取り巻く状況はどんどん悪化している。
選手に責任を負わせた監督にスタッフが反抗?!
世界を驚かせた後半途中でのゴールキーパー交代は、やはり当初から指摘されていたとおり“懲罰”交代だった。
6日の日本との決勝で1-4と惨敗し、4度目のアジア大会制覇を逃した直後の公式会見で、北朝鮮を率いるリ・ユイル監督が悪びれもせず認めた。
韓国メディアの『Xportsnews』などが報じたリ・ユイル監督の一問一答。日本戦について「全体的にはよかった」と総括した指揮官は舌の根の乾かぬうちに、今大会の5試合すべてで先発させてきた守護神キム・ウンヒに敗因を転嫁させた。
「われわれは今大会へ向けて導入した戦術の上で数多くの素晴らしいチャンスを作り、いくつかの素晴らしいシュートを放った。攻撃の選手たちはいいプレーを見せたが守備陣、特にゴールキーパーに一番大きな問題があり、チームは敗れてしまった」
決勝までの4試合でわずか1失点。それもオウンゴールだけだった北朝鮮は決勝の開始10分に先制を許す。前半のうちに追いついて迎えた後半21分にFW大澤春花(22、千葉)、24分にMF谷川萌々子(18、JFAアカデミー福島)、27分にはFW千葉玲海菜(24、千葉)に連続ゴールを決められて意気消沈。その後はラフプレーが目立ち始めた。
そのなかで31分に、リ・ユイル監督は3人の選手を一挙に交代させる。その一人がキム・ウンヒだった。交代枠の上限が「5」に限られている公式戦で、負傷以外で交代するケースがほとんどないキーパーを巡る指揮官の采配は、ベンチへ下げられた直後のキム・ウンヒが両手で顔を覆って号泣している姿を含めて、大いなる違和感を抱かせた。
前出の『Xportsnews』は、国内における女子サッカー指導者の第一人者で、1966年のW杯イングランド大会でベスト8に進出した北朝鮮の守護神、リ・チャンミョンの息子でもあるリ・ユイル監督が今大会を総括したコメントも伝えている。
もっとも、このときもキム・ウンヒを非難している。
「この大会に参加して、アジアのサッカーが大きく発展しているとあらためて実感した。日本は戦術が非常に細かく、攻守両面でいいプレーをしていた。われわれに関してはゴールキーパーに問題があったが、まだまだ改善できると思っている。今後に行われる大事な試合で負けないような、素晴らしいチームに育てていきたいと思っている」