出雲駅伝を大会新記録で連覇した駒大は箱根駅伝まで2年連続の3冠へ突っ走るのか…V監督が警戒する対抗チームとは?
藤田監督が学生時代、大八木コーチ(当時)のもと、駒大は急激に強くなった。そして藤田がアンカーを務めた1998年の出雲で学生三大駅伝の初優勝を飾り、駒大の〝常勝時代〟が幕を開けた。
思い出の地で宙に舞った藤田監督。昨季までに学生三大駅伝で27回の優勝を飾ってきた駒大だが、出雲(昨季までの優勝は4回)は最も苦手とする大会だっただけに、目標の「駅伝3冠」に向けて絶好のスタートとなった。次は、11月5日に行われる最多15回の優勝を誇る全日本大学駅伝だ。
「出雲はたまたまうまくいきましたが、全日本と箱根は別物。他大学がこのまま終わるとは思っていません。全日本は今回走った6人以外に、あと2人は必要です。それにロング区間の7区と8区を誰にするのか。花尾恭輔(4年)が万全なら、7区芽吹、8区花尾で決まりだと思うんですけど、花尾がどこまで上がってくるのか。全日本と箱根も勝つつもりで準備していきたい」
駒大はこのまま箱根駅伝まで3冠へ突っ走るのか。対抗馬となるチームはないのだろうか。実は藤田監督が最も警戒しているのは中大だ。
「中大が力をつけていたので、今回もプレッシャーを感じていた部分がありました。吉居大和君が1区に入っていたら、トップ争いをしていると思うので、2区以降の走りも変わってくる。レース展開が大きく変わっていた可能性がありますよ」
中大は1区・浦田優斗(3年)、2区・中野翔太(4年)、3区・吉居駿恭(2年)、4区・阿部陽樹(3年)、5区・溜池一太(2年)、6区・湯浅仁(4年)というオーダーで出場。学生駅伝で4大会連続して区間賞を獲得している吉居大和(4年)は欠場した。「圭汰シフト」で昨年3区を務めた中野を2区にぶつけてきたが、1区で13位と大きく出遅れ、7位に終わった。
敗因はハッキリしている。絶対エースを起用できなかったことだ。吉居大和は、10月1日の世界ロードランニング選手権5㎞に出場するも35位(14分11秒)と振るわなかった。8月下旬にコロナ感染して体力が落ちていたため、藤原正和駅伝監督は「短期間に2本のレースは厳しい」と判断。今後の戦いを見据えてエースのリカバリーを優先させた。