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初来日の元3階級制覇王者のカシメロ(左)と元IBF世界Sバンタム級王者の小國がフェイスオフ。カシメロは井上尚弥戦を熱望している
初来日の元3階級制覇王者のカシメロ(左)と元IBF世界Sバンタム級王者の小國がフェイスオフ。カシメロは井上尚弥戦を熱望している

井上尚弥の指名挑戦者としてWBOに“問題児”カシメロを申請「小國を倒して次は井上だ。後悔するような試合になる」

 プロボクシング「FEDELTA presents トレジャー・ボクシング・プロモーション4」の前日計量及び記者会見が11日、試合会場となる東京江東区の有明アリーナで行われ、メインでノンタイトルのスーパーバンタム級10回戦を戦う元3階級制覇王者のジョンリエル・カシメロ(34、フィリピン)と、元IBF世界同級王者の小國以載(35、角海老宝石)が共に55.3キロのリミットで一発パスした。WBC&WBO世界同級王者の井上尚弥(30、大橋)との試合を熱望するカシメロは「小國を倒してから井上だ。実現すると後悔するような試合になる」と豪語。プロモーターの元WBO世界スーパーフェザー級王者の伊藤雅雪氏(32)は、WBOにカシメロを指名挑戦者として認定してもらうように申請、現在、承認手続きに入っていることを明かした。対戦相手の小國は“番狂わせ”を狙う。カシメロは井上と戦う相手にふさわしいファイトができるのだろうか。なお試合の模様は、U-NEXTで独占ライブ配信される。

 井上とはもうベストフレンド

 

 サングラスに派手なジャンパー。カシメロが被った黒いキャップには「Raiders(襲撃者)」と書いてあった。計量器に乗って分厚い肉体を披露。不敵な笑みを浮かべポージングをした。バンタム級時代には、減量に苦労して、ポール・バトラー(英国)との指名試合を2度流すことになったが、スーパーバンタム級では、その問題点もクリアしたのだろう。
「小國との試合はいい試合になる。楽しみにしている」
 カシメロとプロモート契約を結んでいる伊藤氏は、この試合を「井上尚弥戦を実現するための試合」だと公言している。
 会見の質疑応答では、当然、井上尚弥についての質問が飛び、「ナオヤ・イノウエとはずっとやりたくて、もうベストフレンドになっている。早く試合がしたい」と答え、日本語で「アリガトゴザイマス」と結びニヤっと笑った。
 2020年4月に当時WBO世界バンタム級のベルトを持っていたカシメロと、WBC&IBF世界同級王者だった井上との3団体統一戦が米国ラスベガスで行われることが一度は正式に決まっていた。だが、新型コロナの世界的な蔓延で流れ、その後も、カシメロは対戦を熱望し、時には下品な挑発を続けてきたが、結局、カシメロは、度重なる失態でWBOのタイトルを剥奪され、井上は昨年12月に暫定王者から正規王者へ格上げとなったバトラーを倒して4団体を統一。その後、ベルトを返上してスーパーバンタム級へと転級し、いきなり初戦で2団体統一王者のスティーブン・フルトン(米国)を倒した。
 それらの3年越しの因縁をカシメロは「ベストフレンド」と表現したのか。井上からすれば勝手に「ベストフレンド」と呼ばれてもいい迷惑に違いないが、カシメロは「ずっと(井上との対戦を)考えているわけじゃない。小國とやってから、次が井上だ」と宣戦布告した。
「ファンのみんなが2人の対戦を希望している。実現したら、井上は、その決断を後悔するような試合になるだろうな」
――「井上に勝てる」という根拠は?
「今は何も言えない。契約書にサインをしてから考えるさ。まず明日頑張って小國を倒す」
 “モンスター前哨戦”をKOで決着することを約束した。

 伊藤氏は、WBOにカシメロを井上尚弥への指名挑戦者として認定してもらうための申請書類を提出し、現在、承認手続きに入っていることを明かした。カシメロは、現在WBOの3位だが、この小國戦に勝ち、指名挑戦者として承認されると、1位に格上げになるという。

 

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