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ボランチの田中碧がカナダ戦でこの日2得点目を決める(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)
ボランチの田中碧がカナダ戦でこの日2得点目を決める(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

三笘、久保ら抜きでカナダに雪辱し5連勝の森保Jはもはや世界の強豪国入りを果たしたと言えるのか…選手が自主的にシステム変更

  サッカーの日本代表が13日、新潟・デンカビッグスワンスタジアムで行われた国際親善試合でカナダ代表に4-1で快勝した。MF三笘薫(26、ブライトン)が不在で、MF久保建英(22、レアル・ソシエダ)を起用しなかった陣容で、カタールW杯直前の国際親善試合で敗れ、3年後には、次回W杯を共催するカナダを一蹴した。連勝を「5」に伸ばした日本は、アジアから頭ひとつ抜けだし、世界の強豪国の仲間入りを果たしたと言えるのだろうか。

 「この素晴らしい結果はなかなか出せるものではない」

 体調不良で辞退したエースの三笘は言うまでもなく、所属クラブの過密日程と日本への長距離移動から「きつい」と本音を吐露した久保もピッチ上にはいない。
 ヨーロッパサッカー界を席巻している2人だけではない。レギュラー格のDF板倉滉(26、ボルシアMG)やMF守田英正(28、スポルティング)、DF菅原由勢(23、AZ)、FW上田綺世(25、フェイエノールト)も最後までベンチを温め続けた。
 先発したDF冨安健洋(24、アーセナル)はハーフタイムに、キャプテンのMF遠藤航(30、リバプール)は後半16分にそれぞれベンチへ下がっている。そもそもMF鎌田大地(27、ラツィオ)とMF堂安律(25、フライブルク)はコンディション不良で今回は選外となり、FW前田大然(25、セルティック)も怪我で招集を辞退した。
 おなじみの顔ぶれがほとんどいない陣容ながら、日本は大量4ゴールを奪って3年後の次回W杯を共催するカナダに快勝。カタールW杯直前にUAE(アラブ首長国連邦)のドバイで対戦し、1-2と逆転負けを喫した相手にリベンジを果たした。
 試合後の公式会見に臨んだ森保一監督(55)は、新潟・デンカビッグスワンスタジアムのピッチへ送り出した、総勢17人の代表選手たちを称賛した。
「誰と組んでもチームとして機能する、誰が出ても目の前の試合に勝つという難しいテーマに、実際にこれまでとは違うメンバー構成でもトライして、その上で結果を出してくれた。試合のなかでミスをしながらもチャレンジを繰り返し、お互いの連携連動の部分でクオリティーを上げていってくれた選手たちを称えたいと思います」
 これで6月シリーズから国際親善試合で破竹の5連勝をマーク。敵地で4-1と快勝した9月のドイツ代表戦を含めて、すべてで4得点以上を叩き出した総得点は「22」に達している理由を、指揮官は第一次政権から守備を担当する齊藤俊秀(50)、第二次政権から攻撃担当として入閣した名波浩(50)と前田遼一(42)のコーチ陣の存在に帰結させた。
「この素晴らしい結果はなかなか出せるものではない。攻撃でも守備でもアグレッシブにチャレンジする姿勢をコーチ陣が選手たちに植えつけてくれているし、なおかつシステム上のかみ合わせの点でも、選手たちが常に力を発揮できるように伝えてくれている。選手たちの頑張りはもちろんですが、コーチ陣の働きかけも大きいと思っています」
 試合中のシステム変更が奏功した一戦でもあった。
 前半開始2分にMF田中碧(25、フォルトゥナ・デュッセルドルフ)のゴールで先制したが、その後はカナダに主導権を握られ続けた。新監督のもとで臨んできたカナダの戦術がわからず、手探りだった状況で、日本はシステムを当初の[4-1-4-1]から[4-2-3-1]へ変更。前線からの守備のはめ方が明確になり、40分にオウンゴール、42分のMF中村敬斗(23、スタッド・ランス)、後半4分に再び田中とゴールラッシュにつなげた。
 インサイドハーフで先発していた田中が一列下がり、遠藤とダブルボランチを形成する形はベンチの指示ではなかった。選手が自主的に変えたと森保監督が明かす。
「相手に合わせるのではなく、ミスマッチを作った上でわれわれが主導権を握って戦えるように、選手たちが立ち位置の変更を賢く、スムーズに表現してくれた」
 9月シリーズでドイツに続いてトルコ代表も4-2で撃破した日本に関して、複数の韓国メディアが「恐るべき日本。名実ともにアジア一強の時代へ」と題した記事を掲載していた。その理由として代表に占めるヨーロッパ組の多さを指摘していた。

 

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