三笘、久保ら抜きでカナダに雪辱し5連勝の森保Jはもはや世界の強豪国入りを果たしたと言えるのか…選手が自主的にシステム変更
「ヨーロッパで活躍する選手が飛躍的に増え、有望な選手も続々と生まれている日本はアジアを超えて、世界が無視できない完全な強豪チームになった」
この夜は韓国代表も、ソウルでチュニジア代表に4-0で大勝している。それでも韓国メディアは森保ジャパンの動向も注視。例えば『OSEN』はこう報じた。
「ドイツ、トルコに続いてカナダまで撃破した脱アジア級の決定力」
第一次森保ジャパンからヨーロッパ組は多い。ただ、第二次政権ではチャンピオンズリーグなど、所属クラブでヨーロッパの国際大会を戦う選手が急増。それぞれが高めた経験値が代表チームに還元され、再編成されたコーチ陣による指導も相まって自主性も引き出されたなかで“大人のチーム”へ変貌を遂げている。試合ごとに異なる選手が活躍し、ゴールを含めた結果を残しているなかで競争という相乗効果も生まれる。
もちろん反省すべき材料も少なくない。
連勝中はすべて失点も喫していて、カナダ戦も零封勝利目前の後半44分に1点を返された。森保監督も「勝ったからオーケーではなく、どのようにすれば勝ち切れるのかを、攻撃面でも守備面でも考えていかなければいけない」と勝って兜の緒を締めた。
「われわれは世界のトップ・オブ・トップを狙おうと考えている。だからこそ、攻守両面でもっと、もっとやり方を考えていく必要があると思っているし、これからはギリギリの戦いを勝っていく、ということも忘れずに取り組んでいきたい」
特に攻撃陣に欠場者が多い状況を受けて、キャプテンの遠藤はカナダ戦前日に「それを感じさせないぐらい、選手層が厚くなってきた感覚がある。要は他の選手にとってはチャンスということ」と語っていた。実際にゴールラッシュが再現されたなかで、キャプテン就任時に“W杯優勝”をチームメイトたちの前で掲げた遠藤は言う。
「W杯優勝を目指す上では、ホームでの試合は絶対に勝たなければいけない。その意味では、パフォーマンスもまだまだよくなっていく部分があると思っている」
17日の次戦ではノエビアスタジアム神戸でチュニジアと対戦する。昨年6月に0-3で敗れた相手に雪辱を期す一戦では、所属クラブでの戦いで蓄積した疲労を考慮され、カナダ戦のピッチに立たなかった久保らが満を持して先発に名を連ねてくるだろう。
11月からは2026年の次回W杯出場をかけた戦いが始まる。アジア2次予選を終えれば息つく間もなく同最終予選に突入し、次に国際親善試合を組めるのは2025年9月となる。そのときに、韓国メディアが指摘した「世界の強豪国」の一角に名を連ねたと、自分たちも実感するために。地に足をつけながら、勝利と内容の二兎を貪欲においかけていく。
(文責・藤江直人/スポーツライター)