今日CS開幕!「ロースコアに持ち込めればカープが有利」…阪神と戦うのは広島か横浜DeNAか…里崎智也氏に展望を聞く
いよいよ今日14日よりプロ野球のセ・パクライマックスシリーズ(CS)のファーストステージが始まる。セは広島が本拠地で横浜DeNAと激突。パは千葉ロッテが本拠地でソフトバンクと対戦し、それぞれの勝者が18日から阪神、オリックスとファイナルステージを戦い、日本シリーズ進出チームが決定する。セのCS展望を元千葉ロッテの人気評論家・里崎智也氏(47)の意見をもとに占ってみた。
新井監督が横浜DeNAの第2戦先発予定の今永を“褒め殺し”
広島の新井監督が“褒め殺し”で横浜DeNAの今永を挑発した。
マツダスタジアムと甲子園球場をオンラインでつないで行われたCS前日の共同会見。CSのファーストステージを勝ち抜くポイントを聞かれた新井監督はテーブルの一番端っこに座っている今永にチラチラと目線をやりながら、こう回答した。
「今永君、東君から点を取るのはなかなか厳しい。そこをなんとか先制して主導権を握ってゲームを進められればいいなと思っていますが、なかなか厳しい。今永君も本当に素晴らしい投手ですし、WBCの決勝で先発した世界一の先発投手ですので、なかなか点を取るのは厳しいと思うんですけど、うちの床田も森下も素晴らしい投手なので、なんとか先制点を与えないようにロースコアで競った展開に持ち込めたらいい」
新井監督は「なかなか」というフレーズを力を込めて3度繰り返した。
薄笑いを浮かべて、駒大の先輩にあたる新井監督の話を聞いていた今永は、その挑発に乗らなかった。
「かけられたお褒めの言葉は今日ですべて忘れて緊張感をもって取り組みたい」
今永は第1戦の東に続いて第2戦に先発予定。
「広島は打線のどこからでも点の取れる野球をしている。そこに気を付けたい。特に意識する選手はいない。全員が束になってかかってくる印象のチーム。9番(打者)からでも全力投球の心構えで投げたい」とも付け加えた。
今永は今季対広島に5試合投げて1勝1敗、防御率2.61の成績。
三浦監督は広島戦のポイントを先発投手の出来にあると見ている。
「今永、明日の東がゲームを作って1イニングでも長く(投げてもらう)というとこ。キーマンは東。しっかりと流れを作ってくれることに期待します」
では、CSファーストステージの戦いはどうなるのか?
第1戦は床田と東。第2戦は森下と今永のマッチアップが予想される。
里崎氏は「データ的には広島が有利。初戦の床田、第2戦の森下という先発投手が踏ん張り、ロースコアの展開に持ち込むことができれば広島が勝ち、打撃戦になれば横浜DeNAが逆転する可能性があります」との見方をしている。
シーズンの成績は、広島が14勝10敗1分けと勝ち越したが、里崎氏が注目したのは、牧、宮崎という横浜DeNAの主力2人が今季広島戦でからっきし打てていないことにある。シーズンで打率.293、29本、103打点、OPS(出塁率プラス長打率).867の牧が、対広島戦となると打率.236、6本、13打点、OPS.733と成績が落ちる。先発の床田に対しても打率.238、0本、0打点と苦手としている。ただ森下には打率.333、1本、1打点の成績。
打率.326で首位打者を獲得した宮崎も、対広島戦は打率.269となり、1本、6打点。床田には、打率.267、0本、0打点と相性が悪く、森下に対しては今季6打席立って1本のヒットもない。
「佐野がいないうえに、牧、宮崎の相性の悪さは、横浜DeNAにとってマイナス材料。打線に関してはチームとしてもマツダスタジアムでの数字がよくない。広島のバッテリーにうまく攻略されています。ヒットは打つけれど得点に結びつかず、失点が上回るという悪循環になっています。広島有利に運ぶロースコアの展開へと持っていかれる確率がかなりの割合で高いんですよ」
横浜DeNAのマツダでのチーム打率.231は東京ドームに次いで悪い。