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電光石火の3連打を生んだ阪神の岡田ミーティング
電光石火の3連打を生んだ阪神の岡田ミーティング

なぜ阪神の岡田監督は5回の好機で村上頌樹に代打を出さなかったのか…広島撃破の集中打の裏に隠された“岡田ミーティング”とは?

 レギュラーシーズンで9勝15敗1分けと大きく負け越し、今季甲子園では2勝しかしていない新井監督は、「高校野球のように戦う」「むちゃくちゃやる」の意気込みで乗り込んできた。
 韮澤の抜擢は、ファームで終盤に結果を残しフェニックスリーグでも絶好調で、加えて、真っすぐに強く、昨年は、ウェスタンリーグで対戦した村上に対して相性が良かったからだという。
 だが、岡田監督は、韮澤のスタメン起用を予期していた。試合前の練習で韮澤のティー打撃の順番が通常よりも早かったことから察知した。
「スタメンってわかってたよ。ファーストで来るのと違うかというのも聞いていた」
村上も、最初の打席でサードフライに打ち取った際に「(韮澤を抑えることは)いける」と思ったという。結局、韮澤は、2打席ノーヒットで代打を出された。
 続投した村上が、6回を三者凡退に抑え、1失点で降板すると、7回から桐敷、8回は石井から左の野間を迎えたところで島本を注ぎ込む盤石リレーで最後は守護神の岩崎が、先頭の小園にヒットを打たれたが、三者連続三振で締めて見せた。
 奇をてらって自滅した新井監督と、その動きを読んだ上で“普段着野球”を貫いた岡田監督。CSファイナルステージの行方を占うとされる初戦は、まるで百戦錬磨の岡田監督の手のひらの上で、監督1年目の新井監督が転がされているような展開になった。
「別に普通通り。ゲーム運び的にはシーズンと同じ感じで行けた。ヒットの出てない選手の方が多いんだけど、勝ったことで、明日以降、ドッシリと行けるんじゃないか」
 岡田監督は“普通”という言葉を使った。
 フェニックスリーグに5試合出場し、勢いをつけたまま、CSに突入して二塁打、本塁打と打った森下は、「シリーズ男」になりそうな予感がするし、ノーヒットに終わったものの中野、佐藤、ノイジーのタイミングは悪くなかった。心配と言えば、大山かもしれないが、最高出塁率のタイトルを獲得したシーズンの通りに最後の打席で四球を選んだ。レギュラーシーズンを制したタイガースの“普通の野球”は徹底されていた。
「ブルペン陣も実戦感覚はなかったと思うが、いい調子で、一回投げさせた。明日は伊藤なんで。村上のピッチングを見て発奮するんじゃないですか」
 岡田監督は、第2戦の先発に指名した“2桁勝利トリオ”の一人の伊藤将に期待を寄せる。一気に連勝で王手をかけたい。ちなみにCSファイナルステージの初戦に勝ってアドバンテージと合わせて2勝0敗で発進したチームの日本シリーズ進出確率は96%となっている。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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