「ナゼ?」来年1月1日に国立で三笘や久保ら海外組を呼べない森保ジャパンと“格下”タイの親善試合が組まれた理由とは?
日本サッカー協会(JFA)は19日、日本代表が来年1月1日に東京・国立競技場でタイ代表と国際親善試合を行うと発表した。元日に日本代表戦が開催されるのは史上初で、同12日に中東カタールで開幕するアジアカップの壮行試合として位置づけられる。しかし、国際Aマッチデー期間外のため、年末年始に所属クラブの試合があるMF三笘薫(26、ブライトン)やMF久保建英(22、レアル・ソシエダ)らヨーロッパ組の大半を招集できない。こうした状況でなぜ強化試合を組んだのか。
タイはFIFAランキング112位で過去の対戦成績は16勝4分け2敗
天皇杯決勝が風物詩として定着していた元日に、日本代表戦が初めて開催される。JFAは19日、森保ジャパンとタイ代表の国際親善試合を、来年1月1日に東京・国立競技場で行うと発表した。キックオフ時間はデーゲームで調整されている。
川崎フロンターレと柏レイソルが対戦する今シーズンの天皇杯決勝は、12月9日に国立競技場で行われる。来年1月12日から中東カタールで開催されるアジアカップが考慮され、天皇杯全体の日程が前倒しされていたなかで、JFAは日程が空く元日に森保ジャパンの国際親善試合開催を計画。ともにアジアカップに出場するタイとの対戦が決まった。
最新のFIFAランキングで、アジア最上位となる日本の19位に対してタイは112位。通算対戦成績は日本が16勝4分け2敗と勝ち越していて、直近ではハリルジャパン時代の2017年3月のW杯アジア最終予選で対戦。日本が4-0で快勝している。
タイは10月にヨーロッパ遠征を実施。エストニア代表と1-1で引き分けたものの、ジョージア代表には0-8で大敗した。国内でキングスカップを開催した9月にはMFスパチョーク(25、北海道コンサドーレ札幌)が海外組として招集された。11月開始のW杯アジア2次予選では韓国、中国、シンガポールとグループCに入っている。
3大会ぶり5度目のアジアカップ制覇を目指す日本にとって、ランキング的にも大きく劣るタイ戦は開幕前で唯一の強化試合であり、ファン・サポーターの前で戦う壮行試合、ピッチ外へ目を向ければ臨時収入を見込める一戦でもある。
中東及びオーストラリアが開催国になった関係で、アジアカップは今回を含めて4大会連続で1月に開催される。日本の初戦を振り返れば、優勝した2011年大会はヨルダン代表と1-1で引き分け、森保一監督(55)のもとで臨んだ前回2019年大会はトルクメニスタン代表に3-2で勝利したものの、前半を0-1とリードされて折り返している。
苦戦を強いられた原因は代表として臨む試合勘の欠如であり、特に国内のJリーガー勢にとってはオフ明けという事情もあった。いずれも年末から強化合宿を実施していたが、国際Aマッチデー期間外とあって強化試合を組んだ前例はなかった。
今回も12月下旬から国内合宿が予定されている。そして、総仕上げ的な位置づけとなるタイとの一戦を通じて実戦感覚を養い、さらに引いて守ってくる傾向が強いアジア勢との戦いも経験した上で開催国カタールに入り、日本代表のフィリップ・トルシエ元監督(68)に率いられる、14日のベトナム代表とのグループリーグ初戦に備える。
しかし、タイ戦にはベストの陣容では臨めない。
前述したように、元日は国際サッカー連盟(FIFA)が定める国際Aマッチデーの期間外となるため、JFAに選手を拘束する権利が生じない。12月30日にリーグ戦がある三笘やキャプテンのMF遠藤航(30、リバプール)、DF冨安健洋(24、アーセナル)のプレミアリーグ勢や、1月3日に試合があるラ・リーガ1部の久保の招集は不可能となる。