なぜRIZINはベラトールに5戦全敗したのか…日米を知る堀口恭司は「技術の遅れ」を指摘
実際、リアネイキッドチョークをセットしながら決めきれなかったサトシは、その理由を「私のミスと相手のレベルの高さ」と認めた。
「三角締めは足がクロスしていなかったのでまだ入っていない。バックチョークは決めるチャンスはあったが、マッキーはディフェンスができるし、手も疲れた。もうちょっとだね」
この「もうちょっと」が技術差なのか。
堀口の「海外で修行せよ!」の指摘にはこう答えた。
「彼の言うことは間違っていない。米国では前からMMAが広がっているが、日本は、ここ3、4年前から。これからですよ。クレベルは米国へ練習に行くけれど、私はまだ海外で練習しようという気はない。日本にはポテンシャルがある」
榊原CEOは「素人の意見」と前置きした上で「フィジカルの差」を指摘した。この意見も的を得ているだろう。ボンサイ柔術は、パワーにある相手にも、通用するのが特徴だが、段違いのパワーに加えて、ディフェンスのスキルを兼ね備えた相手には通用しなかったのだ。
スーチュルも「筋力の差を感じた」という話をしていた。
また打撃でのパワーとスキルの差も際立った。クレベルは「それは違う。そこが勝敗を分けたわけじゃない」と否定したが、サトシは「打撃の改善が必要だと思う」と、その差を実感していた。
あと一歩が、想像以上に大きな壁であることが現実だろう。だた、それは絶望的な壁ではない。
クレベルを完封したピットビルは、「思ったより難しい試合だった。彼は私の打撃をうまく避けて、私はグラウンドの攻防をかわした。トップに入ってくる選手だ。サトシも試合をリードしていたと思う。第1ラウンドは彼が上。2ラウンドは見ていなかったが、3ラウンドもよく戦っていた」と2人を評価。「今度はベルトをかけて再戦したい」とクレベルにラブコールを送った。
マフラーからシューズまで全身をルイヴィトンでコーディネイトして会見場に来たマッキーもサトシの強さを認めた。
「今までで一番タフな試合だった。私の両目も黒くなっている。常に三角締めを狙っていて私を(柔術の)泥沼にひきずり込む姿勢が見られた。彼は戦士だった」
サトシを今年開催予定のベラトールのライト級GPに招聘したいと考えているコーカー代表も「サトシは世界でトップ10に入る危険なファイターだ。マッキーとの試合を見るのにストレスを感じた」と称えた。
RIZINの連勝が6で止まったクレベルがリベンジを誓う。
「全員が負けたが、1本もKOもない。自分は審判じゃないが、武田とスーチュルは勝っていた。サトシも1ラウンドは不利だったが、2,3ラウンドは有利だったと思う。言い訳はしないが、勝てる可能性は示した。タイトル戦での再戦もいいアイデアだと思う。強くなって帰ってくる」
榊原CEOは、今度は米国へ乗り込んでベラトールのケージルールで対抗戦第二弾を計画していることを明かした。
(文責・RONSPO編集部)