「タケはまるでメッシのような仕事した」スペイン地元紙が決勝アシストの久保建英を“伝説の人”に重ねて大絶賛
ラ・リーガ1部のレアル・ソシエダに所属する日本代表MF久保建英(22)が、大仕事をやってのけた。ホームに古巣マジョルカを迎えた21日の第10節で、代表戦の疲れが考慮されて後半15分から投入された久保は、わずか4分後に右サイドから絶妙のクロスを供給。MFブライス・メンデス(26)の決勝ゴールをアシストし、ソシエダを1-0勝利に導いた。今シーズン6度目のマッチMVPに選出された久保を、地元メディアは、「メッシのような仕事をした」と米国のインテル・マイアミでプレーしている“レジェンド”リオネル・メッシ(36)に重ねて称賛した。
久保の途中投入で流れが一変
重い空気を振り払うのに要した時間はわずか4分だった。
ホームのレアレ・アレーナにマジョルカを迎えた、国際Aマッチデー期間による中断明けの一戦。前半から精彩を欠き続けたソシエダに待望の先制点をもたらしたのは、ゴールの4分前の後半15分から途中投入された久保の左足だった。
FWカルロス・フェルナンデス(27)に代わってピッチに入り、主戦場の右サイドに立った久保が味方からのパスを受ける。場所はペナルティーエリアの右外。右足によるトラップから利き足の左足に持ちかえ、ゴール前の状況をうかがった直後だった。
軽く振り抜かれた左足から放たれた、低く柔らかいクロスの軌道がゴール中央に走り込んできたメンデスの頭と完璧に一致する。メンデスがジャンプする必要もなく、それでいて相手ゴールキーパーを無力化させた完璧なクロスを放った久保を、ソシエダの地元メディア『noticias de Gipuzkoa』は「違いを生み出した」と称賛した。
「前半のラ・レアル(ソシエダの愛称)はレアレ・アレーナで、これまでに見せたことのないような混乱に陥っていた。中断明けのリーグ戦という重要な戦いにもかかわらず、ピッチ上では正しい動きをなにひとつ見せず、スコアボード上で不利な状況に陥らなかっただけでも満足できる展開だった。それでもラ・レアルは不快な一日でも、勝利を手にできる特権を持っている。それはメンデスがジャンプすることなくボールをネットに突き刺す最高のクロスを、出場からたった4分で供給した日本生まれのスター選手によってもたらされた」
ソシエダを率いるイマノル・アルグアシル監督(52)は熟慮を重ねた末に、チームにとって必要不可欠な存在となった久保をベンチスタートにした。
日本代表の一員として先発して後半37分まで82分間プレー。1アシストを含めて2つのゴールに絡み、2-0の勝利に貢献したチュニジア代表との国際親善試合(ノエビアスタジアム神戸)から中3日。日本から直行便が就航していないスペインへの長距離移動と時差調整を経て、ナイトゲームではなく現地時間の21日午後2時(日本時間同9時)にキックオフを迎えるマジョルカ戦へ、久保はチュニジア戦後にこんな言葉を残していた。