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オリックスが3年連続15度目の日本シリーズ進出を決めた(オリックス公式Xより)
オリックスが3年連続15度目の日本シリーズ進出を決めた(オリックス公式Xより)

「評論家泣かせ」の59年ぶり関西対決…阪神かオリックスか。日本一を手にするのはどっち?

 パのCSファイナルステージ第4戦が21日、京セラドーム大阪で行われ、オリックスが3ー2でロッテを振り切り、対戦成績を4勝1敗(1勝のアドバンテージ含む)とし3年連続15度目の日本シリーズ進出を決めた。28日の京セラドーム大阪から阪神との頂上決戦がスタートするが、関西対決となるのは、1964年の阪神対南海以来59年ぶりでオリックスと阪神の顔合わせは初。だが、CSのMVPに選ばれた杉本裕太郎(32)が左足首を痛めて途中退場、第1戦で決勝打を放った紅林弘太郎(21)も左手首を痛めて第4戦はベンチを外れており、人気評論家の里崎智也氏の「2人の状況がわかるまで予想は難しい」という声に代表されるように、どちらが勝つかわからない評論家泣かせの関西ダービーとなりそうだ。

 MVPの杉本が左足首を痛めて一塁まで走れずに途中退場

 

 山口の三塁を襲う打球を宗が舞うようにして華麗にキャッチ。その瞬間、ベンチで中嶋監督は両手の拳を握りしめてガッツポーズをした。
「しんどいゲームばっかりでほっとしています。ロッテのファーストステージからの勢いにのまれるかなという気持ちが正直あったんですが、いいゲームができてうれしいです」
 ソフトバンクとのCSファーストステージを奇跡的なゲームで勝ち抜けたきたロッテに第1戦でシーズン“4冠”で防御率1.21のエース山本由伸が初回にまさかの3失点。8-5で逆転勝利したものの第2戦を5-6で落とした。第3戦を2-0で制して王手をかけて迎えた第4戦も1点差までにじり寄られた。
「緊急事態。ライトでいくしかない」と中嶋監督が「3番・ライト」で起用した森が初回に種市の際どいフォークを見極めた後の高めの悪球をライトスタンドに放り込んで2点を先制。6回には“ラオウ“のタイムリーツーベースで1点を加え宮城の6回無失点の好投もあって逃げ切った。
 だが、ショッキングな出来事があった。
 3-1で迎えた8回に先頭の杉本が三遊間の深いところにゴロを転がした。だが、一塁へスタートを切った途端に左足に異常が発生。足をひきずり数歩で走るのを止めたのだ。
 杉本はベンチへ下がり途中交代。中嶋監督の顔色が変わった。
 CSのMVPには、14打数6安打の打率.429、3打点の活躍を見せた杉本が選ばれたが、セレモニーに姿はなかった。代役を務めた石川亮の物真似パフォーマンスに中嶋監督や場内のファンも大爆笑だったが、日本シリーズの戦いを考えると笑っている場合ではない。左足首を痛めたようだが、もし深刻な状況であれば、1週間後に始まる日本シリーズに出場できない可能性がある。
 故障の状況について中嶋監督は「オレは病院の先生じゃないからわからない」と語ったが、「ダメだったらとは言いたくないが、(出場不可能な場合は選手起用をどうするかを)考えなきゃいけない」と沈痛な表情だった。試合前には、紅林がティー打撃途中で左手首に異常を訴えて練習を切り上げてベンチ入りしなかった。第1戦で決勝打を含む2本のタイムリーを放ち、3試合で10打数3安打3打点で打率.300の成績を残しショートストップとしてCSファイナル突破に貢献した紅林も、痛めた場所が場所だけに日本シリーズへの出場が不安視される。
「これだけ人がいなくなるんだと、試合終了後に焦った。今も焦っている。(2人は)調子も良かったのに」
 中嶋監督の嘆きも当然だろう。
 左足を疲労骨折した首位打者の頓宮が代打で復帰しているが、1週間後にDHで起用できるかどうかも不透明だ。

 

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