ドラフト戦線異状あり…大学生投手がドラフト1位独占の可能性も…元ヤクルト編成部長がランキングした8人とは?
一方で高校生のドラフト候補はどうなのだろう。
松井氏は「大学生の即戦力度と、彼らの将来性を天秤にかけても今年の大学生を上回ってくる選手がいないのが現実ではないか」と厳しい見方をしている。
1年生から注目を浴びてきた大阪桐蔭高の左腕、前田悠伍は「クロスファイアーは素晴らしいが、思ったより球速が上がらず伸び悩んでいるのが気になる」とし、前田と同じくU18W杯優勝メンバーの霞ケ浦の最速150キロ右腕の木村優人については「左肩が開くので打者はみやすい。フォーム修正が必要かも」と指摘した。
享栄高のパワー左腕、東松快征、滝川二高の右腕、坂井陽翔については「東松は馬力型で球速は150キロを超えてくるが、まだ力投げで課題が残る。坂井は素材型。ノビシロを含めて下位指名で抑えておくかどうか」という評価。
高校生の中では、夏の甲子園でベスト8へ進みU18W杯代表にも選出された沖縄尚学の東恩納蒼の行方を見守っているという。
「左ならまだしも右で1m72は小さくまだ体力不足。ただ無駄に点をやらない投球能力には天性のものがある。大学進学かと思ったがプロ志望をした。どこまで伸びるかの今後を見てみたい投手」
また例年なら必ず1位候補にあがる社会人の中では、トヨタ自動車の松本健吾の名前をリストアップした。亜大から社会人に進んで2年目の最速152キロの右腕。1年目の都市対抗のパナソニック戦で1安打完封してスカウトの注目を集めた。
「安定感がある。ヤクルトが昨年1位指名した吉村貢司郎(東芝)クラスの力はある。外れ1位もあるかも」と松井氏。
「高いレベルの1位候補が揃っているので重複してクジを外しても、まだいい選手が取れる。どの球団もまずはナンバーワン評価の選手を指名するだろうから、蓋を開けてみると意外と重複指名選手が複数出る可能性もあるかも」
2日後に迫ったドラフトの展開を松井氏はこう予想している。
(文責・RONSPO編集部)