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ヌートバーが来日しトークショーで次回WBCと2028年ロス五輪への思いを語った
ヌートバーが来日しトークショーで次回WBCと2028年ロス五輪への思いを語った

なぜWBC“侍戦士”のヌートバーは「(5年後の)ロス五輪には出たいけれど大谷翔平との対戦は悪夢」と語ったのか

「アメリカで投手と打者の二刀流として結果を残すのは本当に難しい。その意味でも、彼のことを歴史上で見たことのない、まさに世界一の選手だと僕は思っているし、満票で今シーズンのMVPに選出されるべき選手だとも思っている。来シーズン以降の彼は、大きな怪我をする以前の状態に戻ってくれると世界中の誰もが期待している。そして、もし彼が(FAで)移籍するならば、新天地となるチームはこの惑星で最も素晴らしい場所になる」
 今回の来日中には京都や福岡へ足を運び、京セラドーム大阪ではパ・リーグのCSファイナルステージ初戦を観戦。侍ジャパンの盟友でもあるオリックスのエース、山本由伸(25)のマウンドを含めて「すごく熱い印象を受けた」とNPBの戦いを堪能した。
 シーズン中に自らへ課していた食事制限も、日本に滞在する2週間限定で解除した。魚類や野菜、鶏肉を中心としていた食生活を「ラーメンや餃子、カツ丼など普段は禁止していたものをたっぷり食べました」と苦笑しながら打ち明けた。
 そして、この日はいつか日本代表に入りたいと夢見るきっかけになった、斎藤氏とのトークショーに臨んだ。2006年夏の甲子園を「ハンカチ王子」の異名とともに制し、一世を風靡した斎藤氏らが日米親善高校野球で渡米した際の試合で、バットボーイなどを務めていたのが当時8歳のヌートバーだった。17年も前の思い出をヌートバーはこう振り返る。
「日本チームに接したあのときに斎藤佑樹さんに憧れて、非常に大きな影響を受けたことで、いつか日本代表でプレーしたいという思いが強くなりました」
 もっとも、充電する時間はまもなく終わりを迎える。
 WBCをへて臨んだメジャー3年目の今シーズンは、負傷者リストに3度も入りながら自己最多の117試合に出場。111安打、打率.261、46打点、11盗塁、72四球と自己ベストをマークし、本塁打数も14本と昨シーズンに並ぶ最多だった。
 しかし、カージナルスはナ・リーグ中地区の最下位に沈み、ポストシーズン進出に遠く及ばない状態でシーズンオフに入った。トークショーで来シーズンの目標を問われたヌートバーは、用意されたものに「World Series Champion」と書き込んだ。
「個人的な成績が伴うのももちろん嬉しいけど、やはりワールドシリーズ優勝、チームとして頂点に立ちたい。WBCで経験した喜びをカージナルスでも味わいたい」
 決意も新たにしたヌートバーは11月にアメリカへ戻り、来年2月中旬予定のキャンプインへ向けて、自主トレをスタートさせるスケジュールを立てている。
(文責・藤江直人/スポーツライター)

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