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セ・リーグの全ドラフト指名選手(支配下)
セ・リーグの全ドラフト指名選手(支配下)

ノムさん“右腕”元ヤクルト編成部長がドラフト成否を独自採点…「成功したトップ4は広島、オリ、西武、日ハム、賛否わかれる巨人は楽天、ロッテと“最下位評価”。阪神は戦略勝利で横浜DeNAは個性型」

 創志学園時代は阪神の西純矢の控えだった右腕。最速153キロの角度のあるストレートに安定感があり、4年の春には6試合に完投勝利しうち4試合で完封。また阪神などが狙っていた身体能力抜群のショートの津田啓史(三菱重工East)、スピードタイプの辻本倫太郎(仙台大)を2、3位で指名。昨年の村松、田中に続き2年連続でショートの即戦力を補強した。
「立浪監督の意向が現れたドラフトに感じた。辻本は小さいがパンチもあるアストロズのアルトゥーベに重なる選手。2年連続でショートを4人も5人も指名することは偏っているが、競わせることでチーム力の底上げを狙ったのだろう」 
 ソフトバンクは72点。「高3で伸び悩んだ前田を育成できるかどうか。2位の岩井(名城大)は即戦力だが、長距離タイプの廣瀬(慶大)、4位の村田(明大)は未知数の部分が多い選手。その点を差し引いた」という。
 今回のドラフトで平均点以下の「最下位グループ」という厳しい採点をしたのが巨人、楽天、ロッテの3球団だ。巨人が68点、楽天が65点、ロッテを60点とした。
 巨人については賛否がわかれる指名となった。1位は日ハムと競合した母校の後輩であるクイック投法の西舘を阿部新監督が引き当てたが、大学生1人、社会人4人の異例ともいえる来季特化型のドラフトとなった。
「私は賛否の否の方の意見。おそらく阿部監督は西舘―大勢の勝利方程式を想定しているのだろう。だが、切羽詰まった感が出過ぎたと思う。育成で高校生を4人指名しているが、こういう偏ったドラフトをすると数年後のチーム編成にひずみが出てしまう」
 また楽天についても「古謝(桐蔭横浜大)は可能性を秘めた大型左腕だが、2位の坂井(滝川二)、3位の日當(東海大菅生)、4位のワォーターズ璃海(日本ウェルネス沖縄)と大型の高校生に特化した3枠に疑問を感じた。チームのテーマは打線の強化のはずが、そこが見えなかった。もっと多彩な指名でバランスをとるべきではなかったか」と厳しい採点をつけた。
 そして最下位の評価となったのはロッテだ。度会、草加、細野とクジで3度外して明大の左のスラッガーの上田希由翔を指名したが、「やはりクジを3度外したことが致命傷になった」と松井氏は見る。
「故障者が出たことも影響したのだろうが、シーズン終盤からCSで先発不足を露呈したのだから、先発タイプの即戦力にターゲットを絞るべきだっただろう。何か方針にブレを感じた。上田は、ソフトバンクが指名した廣瀬よりも対応力はあるが、守れる場所も限られているし2位でも獲得できたのではないか」
 松井氏は最後に2023年のドラフトをこうまとめた。
「大事なのは、ここから先。本人がどう努力して、チームがどう育成するか。本当の成否がわかるのは、5年後、10年後だ」
(文責・RONSPO編集部)

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