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広陵の真鍋は4位指名が終わると会見場から退席した。悔しい指名漏れとなった(写真・日刊スポーツ/アフロ)
広陵の真鍋は4位指名が終わると会見場から退席した。悔しい指名漏れとなった(写真・日刊スポーツ/アフロ)

なぜドラフトで“広陵のボンズ”真鍋や沖縄の“精密マシン”東恩納らが指名漏れとなったのか?

 

「東恩納の投球術、得点を与えないというセンスには天性のものがある。大学進学と思っていたが、直前でプロ志望届を出したので、どこか確かな指名の約束を取り付けたと見ていたが、やはり1m72と上背がなく、プロとしての体力不足が懸念されたのだろう。大学で4年間、体を作れば、次はドラフトにかかってくると思う。冨士は大学で17キロ球速が伸びた素材型。どこかが下位か育成で押さえるかと思ったが、あまりにも発展途上の部分が敬遠されたのかもしれない。また大型左腕の黒木は、ソフトバンクが地元枠で押さえるかと思った。彼もまだ未完成の部分があるので、あと数年見たいとのプロ側の判断だったのだろう」
 今回のドラフトでいえば、中日、横浜DeNA、ロッテの3球団が競合したENEOSの度会隆輝も、横浜高時代の3年前にはプロを希望していたが、指名漏れして悔し涙を流した一人。指名漏れから大学、社会人、あるいは独立リーグを経て、上位で指名されるというシンデレラ物語も珍しくはない。
また今回のドラフトでは独立リーグからの指名が過去最多の23人となったのも特徴だった。本指名で6人、育成で17人。しかも、阪神は最速159キロの椎葉剛(徳島インディゴソックス)を2位、ロッテも阪神との交流戦でストレートの平均が154キロだったという右腕の大谷輝龍(富山GRNサンダーバーズ)を2位指名した。11年連続でプロ選手を輩出した徳島インディゴソックスからは、なんと7人もの指名選手が生まれた。
 松井氏は、その理由をこう読み取った。
「独立リーグの育成システムが確立されているということだろう。プロを意識した起用を現場もしているので育ちやすい環境がある。高校、大学と違い、試合数が多く実戦主義なのもプラスだと思う。またプロの2軍、3軍との交流戦が増え、スカウトがその力を把握しやすくなっているのも指名が増えている理由だと思う。今度、独立リーグは注目を集めるし、プロ志望の素材のいい選手がさらに集まる可能性がある」
 泣き笑いがあったドラフトの終わりは、また新しいドラフトへのスタートでもある。

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