球界大御所による“日本で一番重厚な関西シリーズ予想”「ズバリ4勝3敗で阪神がオリックスに勝つ」…その根拠とは?
「岡田は2軍監督やコーチを経験して監督になった。中嶋も2軍監督から抜擢されて3連覇を果たした。2人は理想的な監督の道を歩んだ。中嶋は日本シリーズに3年連続で出場しているが、岡田も日本シリーズの経験は豊富。オリックスのメンバーは、ほぼ全員が変わっているとはいえ、オリックスの監督を3年間務めた特別の思いもあるだろう。采配で言えば、岡田が一枚も二枚も上手のはず。均衡したゲームではベンチワークの差が出る。またベンチが選手をどううまく乗せるかもシリーズを制する条件」
岡田監督は前回監督時の2005年の日本シリーズでは、ロッテに悪夢の4連敗を喫した。ロッテが33得点で阪神が4得点。ファンの間では「33-4」の不名誉な数字として語り継がれている。この日の会見で、岡田監督は「前回のことは忘れている。いい結果じゃなかったので」と言い切った。広岡氏は、「その18年前の教訓が、今回のシリーズの采配に生きてくるのでないか」と踏んでいる。
また地の利も阪神に味方しているという。
「京セラドームは阪神の第二ホーム。今年は横浜DeNAとの開幕3連勝から始まり、ここでは一つも負けていないというではないか。甲子園は、浜風があり、しかも土のグラウンド。難しい球場で、地の利は阪神にある」
加えてファンの応援という第3の力の影響についても「私の経験から言ってもファンの応援というものは、チームを後押ししてくれるもの。おそらく京セラドームにも阪神ファンが大挙して押しかけるのではないか。関西ダービーの恩恵は阪神にあると思う」と力説した。
ただ阪神に不安要素がないわけではない。
広岡氏は打線では4番の大山、投手陣では今季35セーブで最多タイトルを獲得したストッパーの岩崎の2人の名前をあげた。大山は広島とのCS3試合で、3四球は選んだが、わずか1安打、岩崎もCSで3連投したが、第3戦ではヒットと四球でピンチを迎えるなど、3人でピシャリというわけではなかった。
「大山は打球を強く打とうと力むので体がレフト方向へ向いてしまっている。CS第2戦で岡田がセンターへ打てとアドバイスしたようだが、さすがにいい所を見ている。センターから右を意識しておかないとブレーキになる危険がある。岩崎も終盤からCSとボールが来ていない。あの独特の下半身の粘りと、腕が遅れてしなることで伸びてくるボールがない。1点差ゲームとなるだけに、そこをどう調整してくるか」
注目の関西シリーズのプレーボールは午後6時30分だ。
(文責・駒沢悟/スポーツライター)