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オリックスは9回に満塁策を取ったが打率1割台だった阪神の大山悠輔がサヨナラ打を放つ(写真は資料)
オリックスは9回に満塁策を取ったが打率1割台だった阪神の大山悠輔がサヨナラ打を放つ(写真は資料)

「ホンマにありえない?」阪神のサヨナラ劇につながったオリックス中嶋監督の満塁策は正しかったのか…識者の間で割れる賛否

 甲子園が地鳴りのような大歓声に包まれた。
 岡田監督は「2日前に宮崎から帰ってきたばかりのぶっつけ本番だったけれど、ここは湯浅にかけるしかないと。湯浅が出てくるとファンの声援でガラッとムードが変わると思った」と起用理由を明かす。
 岡田監督らしいドラマチックな演出だった。
 巨人に13ゲーム差をひっくりかえされた2008年には北京五輪で腰を骨折して帰ってきた新井(現広島監督)の復帰舞台で、サヨナラ勝利を演出、オリックス監督時代も、故障で出場が危ぶまれていたT―岡田を代打起用して成功させた。選手のモチベ―ションと球場の一体感が目に見えぬ力を生み出すことを65歳になる勝負師は誰よりも知っている。
 湯浅はたった1球。149キロのストレートで中川をセカンドフライに打ち取った。
 その裏、宗の守備のミスから8回一死二塁のピンチを迎えたオリックス宇田川も、坂本、木浪に全球ストレートで2者連続三球三振に斬って取り、湯浅の登場で変わりかけた流れを必死に取り戻そうとした。だが、9回に一死から森がヒットを打ったことでチャンスに打席が巡ってきたため、ヘルメットをかぶって回跨ぎ登板の準備をしていた宇田川に代打の石川が送られた。これも池田氏が指摘する勝負のアヤだったのだろう。
 劇的なサヨナラ勝利で阪神が2勝2敗のタイに戻した。今日2日の第5戦が阪神にとって本拠地甲子園でのシリーズ最終戦となる。
 シリーズ恒例の勝利監督インタビューで岡田監督は、珍しく虎党にこう約束した。
「すごい声援をもらって選手もすごく奮い立っている。今日の勝ちを無駄にしないように最後の甲子園で絶対に勝ちたいと思います」
 阪神は、今季12勝2敗、防御率2.26の大竹を先発に立てる。一方のオリックスは6勝4敗、防御率3.09の田嶋が先発の左腕対決。大竹がソフトバンク時代にオリックスと最後に対戦したのは2年前の3月31日。その際、3回で7失点している。池田氏は「ソフトバンク時代とはガラっと変わった。過去の対戦データは関係ないのでは」と予想する。
 その試合を最後に先発機会が与えられず、現役ドラフトで阪神に移籍することになった大竹にとっても、“変わった自分”を示す特別なリベンジの舞台になるだろう。両チーム共に失策が目立つことは少し残念だが、セパの覇者同士の日本一決定戦は、めちゃくちゃ面白い。勝者が王手をかける大一番。プレーボールは午後6時だ。
(文責・RONSPO編集部)

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