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パリ五輪アジア二次予選から帰国したなでしこジャパンの池田監督が成田で取材に応じた
パリ五輪アジア二次予選から帰国したなでしこジャパンの池田監督が成田で取材に応じた

なでしこ池田監督が明かすパリ五輪予選「75分間のボール回し」で賛否を呼んだ戦術選択の舞台裏とは?

 迎えた1日の最終節。3連勝をマークしたオーストラリアとなでしこがまず1位突破を決め、グループBではともに勝てば最終予選に進めた韓国と中国が引き分けて共倒れ。まさかの展開となったなかで北朝鮮が1位で突破し、最終予選の組み合わせのカギを握る2位の最上位国はインドに3-0で快勝したウズベキスタンが滑り込んだ。
 思い描いた通りにオーストラリアとの対戦を回避したなでしこは、レギュレーションによって最終予選の相手が北朝鮮に決まった。これもレギュレーションで初戦を敵地で、第2戦を日本で開催することも決まった。現時点で北朝鮮側からアナウンスはないが、一筋縄ではいかない“未知の洗礼”が待ち受けるのは必至の首都・平壌での開催もありうる。
 ただ、韓国対中国で決着がついていたら、両国のどちらかと対戦する可能性もあった。だからこそ、池田監督はシナリオ通りという表現をやんわりと否定した。
「どこと当たったらベストか、というよりも、第2戦をホームで迎える最終予選になったという意味で、想定していた通りの勝ち上がり方になりました」
 ベスト8で敗退した東京五輪には開催国として出場したなでしこだが、2016年のリオ五輪は大阪で開催されたアジア最終予選で敗退という悪夢を喫した。2011年の女子W杯から続いた一時代が終焉を迎え、人気が低迷する時期に突入したきっかけでもあった。
 東京五輪後に就任した池田監督のもと、今夏の女子W杯では優勝したスペインをグループリーグで撃破。ベスト8で姿を消したものの、一時のどん底から上向きに転じさせた。だからこそ、その先にあるパリ五輪出場をホームのファン・サポーターの前で決めたい――物議を醸したウズベキスタン戦に込められた、指揮官の本当の意味での狙いがここにある。
(文責・藤江直人/スポーツライター)

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