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阪神が王手をかけた日本シリーズ第6戦の舞台は京セラドーム大阪
阪神が王手をかけた日本シリーズ第6戦の舞台は京セラドーム大阪

阪神38年ぶりの日本一か、オリックス逆王手か…カギを握る“沢村賞”山本由伸のカーブ…第7戦にもつれこめば形勢逆転の可能性も

 第1戦では、岡田監督が「フォークを捨てストレートを狙え」とミーティングで指示。意表をつくサトテルの盗塁などのベンチワークで揺さぶり、防御率1.21のエースから7点を奪った。だが、3年連続の沢村賞投手が2度同じ失敗を繰り返すことは考えづらい。
 阪神OBでパの野球に詳しい評論家の池田親興氏も、こんな意見を持つ。
「3年連続4冠の投手が2度同じやられ方をするだろうか。前回はフォークを見極められて、カウント球になったストレートを狙われ攻略された。今回は配球も変えてくると思う。もちろん軸となるストレートの質が重要だが、問題は13球中3球しかストライクにならなかったカープの出来。緩急をつけられるかどうか」
 ただロッテとのCSファイナルの初戦でも3失点するなどポストシーズンに入ってからの山本の状態は明らかに悪い。WBCの出場から数えると通常よりも長いシーズンの影響か。
 池田氏は「WBC組は、湯浅、佐々木、大勢、今永…とベストとは言えないシーズンを過ごした。その中でも4冠を達成した山本は別格なのかもしれないが、肉体に例年以上の疲労が蓄積して、この時期に、その影響が出ていないかといえばウソになる」と分析した。
 ストレートがシュート回転し、空振りやファウルにならずにフェアゾーンに飛ぶ。第1戦では池田氏が指摘するようにカーブの精度も悪かった。阪神打線がフォークに手を出してくれずにボールが先行、必然、ストレートがカウント球となって、少し甘くなるところを狙われたわけである。
 山本は配球を変えてくるだろう。当然、それを見越して阪神も攻略法を変える。だが、根本のところ軸はストレートの質である。中6日でどこまで微調整ができたか、そもそも微調整で済む段階にあるのか。しかも、第5戦では、ブルペンで中継ぎ登板の準備をしていた。その影響も気になる。どっちつかずのマネジメントが、結局、すべてうまく回らなくなるのは、よくある話だ。
 しかも今季の阪神打線の象徴とも言える1番の近本が打率.474、4打点、2番の中野が打率.353、3打点、4犠打、“恐怖の8番打者”木浪が打率.412、1打点と絶好調で、3番の森下も第5戦で逆転の2点タイムリー三塁打を放ってヒーローになった。4番の大山も第4戦のサヨナラ打、第5戦の宇田川からのタイムリーと上向きだ。打率.158で“逆シリーズ男”となりつつあるサトテルの不振が目立たないほど。
 しかし、オリックスの反撃の可能性を主張する声もある。

 

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