「圧倒的輝きを見せメジャーで争奪戦が起きている理由を証明」米メディアが山本由伸の“魂の138球”14奪三振完投勝利を絶賛…6年299億円が最低ライン?
日本シリーズの第6戦が4日、京セラドーム大阪で行われ、オリックスが5-1で勝利、対戦成績を3勝3敗に戻して逆王手をかけた。第1戦で7失点していた先発の山本由伸(25)が9回を138球1失点の完投勝利。14奪三振はシリーズ新記録となった。米メディアは、今オフにポスティングによる米挑戦が濃厚と見られている山本の日本でのラスト登板をこぞって取り上げ称賛した。
メッツ、ヤンキース、レッドソックス、カブス、カージナルス、ドジャース、ダイヤモンドバックス、タイガースらが有力候補
138球目は152キロのストレートだった。
近本をセカンドゴロに打ち取ると、山本はひざまづき、その右手を天高く突き上げた。負けたら終わりの崖っぷちの第6戦で1失点完投勝利。第1戦で7失点していた絶対エースは汚名を返上した。
「調子もしっかり上げてこれていた。みんなは心配しているだろうなと思いながらマウンドに上がりました。先制点を与えてしまったんですけど、調子は良かったのでしっかりと落ち着いて投げることができたと思います」
日本シリーズ5度目の登板にして初勝利をつかんだ山本は、お立ち台で晴れ晴れとした表情を浮かべていた。7回を終わった時点で中嶋監督から「きょうは(球数の)リミットはないよ」と告げられ、最後まで一人で投げ抜くことを決意したという。
立ち上がりは不安定で2回にノイジーに先制本塁打を許した。だが、その裏にチームが逆転、4回には二死一、三塁の大ピンチで近本のライトを襲う打球を森がフェンスに張り付いてスーパーキャッチすると、5回からギアを上げて山本の投球が一変した。14奪三振は、ダイエー時代の工藤公康(1999年)、日ハム時代のダルビッシュ有(2007年)の13奪三振記録を抜いてシリーズ新記録となった。
今オフにポスティングによる米挑戦が濃厚とされる山本の日本でのピッチングは、これが最後になるかもしれず、バッテリーを組んだ若月と抱き合う姿が、そのことを暗示しているかのようだった。
FAの注目選手として山本を話題にしてきた米メディアは、この山本の完投勝利を一斉に取り上げた。
MLB公式サイトは、「山本が138球の完投で14三振を奪い日本シリーズで勝利を得る」との見出しを取り、「大谷翔平以外でこのオフに引く手あまたとなるフリーエージェント(FA)選手は誰だろうか。日本の右腕、山本かもしれず、この25歳は、日本のプロ野球の日本シリーズ第6戦で、なぜそうなのかを正確に見せつけた」と伝えた。
同サイトは「このパフォーマンスは日本で最高の投手として過去3シーズンを過ごしてきた投手にとってふさわしい締めくくりだった」として、3年連続の投手4冠、沢村賞の獲得などの今季成績に触れ、この日の登板内容を紹介した。
「90マイル(145キロ台)半ばを超える4シームに合わせ、山本は90マイル前半のスプリッター、レインボーカーブ、そして80マイル(130キロ台)後半のスライダーで阪神打線を切り裂いた」とし「我々は来春にメジャーのマウンドで、この球種のレパートリーを見せびらかす山本を目にすることになるに違いない」と続けた。