「TAKEがジャングルの中で標的を見つける」地元メディアが久保建英の起点プレーを絶賛…レアル・ソシエダが3連勝で歴史的な20季ぶりのCL決勝T進出を決める
前出の『MUNDO DEPORTIVO』が報じた3点目の場面に、久保の名前はでてこない。ただ、ソシエダの地元紙『EL DESMARQUE』は出場した選手への採点で、ゴールを決めた選手たちよりは低い「7点」を久保につけながらも、先制点と3点目の起点になったプレーを含めて、相手のマークを引き寄せた存在感の高さを称賛している。
「質の高い絶妙なクオリティーとスピードを見せた日本人選手は、まさに電光石火の攻撃を見せた。何度かボールを失ったものの、素晴らしいパフォーマンスだった」
サッカー人生の設計図で、久保は「22歳で迎えるシーズンには、チャンピオンズリーグでプレーしたい」と思い描いてきた。昨シーズンのラ・リーガ1部で9ゴールをあげる大活躍を演じ、ソシエダを10年ぶりのチャンピオンズリーグ出場に導いた今シーズン。国内リーグと並行して初めて臨む最高峰の戦いを、久保は「楽しいですよ」と語る。
「やっと舞台を用意してもらったというか、自分の力もあって勝ち取った舞台なので、伸び伸びとプレーできています。相手の気持ちの入り方も違うし、チャンピオンズリーグという舞台が相手の強度を高めているのかなとも思う。だからこそ、美味しいご飯を食べたときと一緒で、一回味わっちゃったら、もうやめられないという感じですよね」
週末に国内リーグ、ミッドウィークにはチャンピオンズリーグを戦う過密日程。そのなかで日本代表に招集され、直行便が就航していないスペインから長時間移動をへて帰国する。10月シリーズの合間には「きついですよ、正直」と本音も漏らした。
この発言が過密日程下のヨーロッパ組の招集を巡る是非論招いたのは記憶に新しい。もっとも久保自身は、国際親善試合への招集を考慮してほしいと望んでいたわけではない。むしろ「きついのは僕だけじゃないと思う」と断りを入れながらこう続けていた。
「日本ではいろいろな人たちが試合を待ってくれているし、チケットも完売したという話も聞いています。そういった人たちのために試合ができるのはすごく幸せなこと。きついのは事実ですけど、ファンのみなさまには、そういったところも頭の片隅に入れておいていただければ、より楽しんで代表戦も見てもらえるのかなと思っています」
2026年に北中米の3カ国共催される、次回W杯出場への第一歩となるアジア2次予選がいよいよ近づき、8日には日本代表メンバー26人が発表された。16日にミャンマー代表(パナソニックスタジアム吹田)、21日にシリア代表(サウジアラビア・ジッダ)と対戦するなかで久保はもちろん、体調不良で10月は不在だったMF三笘薫(26、ブライトン)やMF鎌田大地(27、ラツィオ)、MF堂安律(25、フライブルク)も名を連ねた。
ヨーロッパ組の選手たちが置かれた状況をそれぞれ把握した上で、日本代表の森保一監督(55)は怪我人を除くベストメンバーを招集した意図をこう語った。
「選手たちには少しでもいいコンディションで戦ってもらいたいと考えている。それと同時に、これまでの日本代表を考えても、厳しいなかでタフに戦うからこそ成長できている部分もある。怪我のリスクはもちろん最大限に考慮した上で選手を起用したい」