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後半から出場した久保建英。“オレが蹴る”と志願したPKを監督に却下された(資料写真:なかしまだいすけ/アフロ)
後半から出場した久保建英。“オレが蹴る”と志願したPKを監督に却下された(資料写真:なかしまだいすけ/アフロ)

ベンチ前が騒然?!なぜ久保建英は志願したPKをレアル・ソシエダの監督に却下されたのか…CKからのゴール演出で3試合ぶり白星も地元紙は「4」と辛口採点

 ラ・リーガ1部の第13節のレアル・ソシエダとアルメリアの1戦が11日(日本時間12日)、敵地で行われ日本代表MFの久保建英(22)は後半から出場した。PKを志願したが却下され、ボールのロスから同点弾を許すミスなどを犯して、地元紙からの採点は「4」をつけられるなど存在感を示すことができなかったが、終了間際にはCKからの連続ゴールを演出して、なんとか面目躍如、最下位のアルメリアを3-1で振り切り、チームは3試合ぶりの白星で暫定6位に浮上した。

 監督が大声で何かを叫ぶ

 

 

 レアル・ソシエダのベンチ前が騒然となった。
 1-1のまま時計の針が90分を回った直後。ソシエダがPKを獲得し、キッカーのFWカルロス・フェルナンデス(27)がボールを抱え、集中力を高めていたときだった。
 フェルナンデスに近づいた久保がひと言、ふた言と話しかけ、ボールを譲り受けた。次の瞬間、テクニカル・エリアで戦況を見つめていたソシエダのイマノル・アルグアシル監督(52)が血相を変えて、左手でピッチを指さして何かを大声で叫んだ。
 指揮官が何を指示していたのかはすぐに明らかになった。ペナルティーマークにボールをセットしたのは、久保ではなくフェルナンデス。利き足の左足から放たれた強烈な一撃がゴール右隅に突き刺さり、ソシエダが土壇場で勝ち越しに成功した。
 スペインメディアの『MUNDO DEPORTIVO』は、試合後のアルグアシル監督のコメントを紹介して、久保のキッカー志願が却下された理由を説明した。

 
「ミケル(・オヤルサバル)とブライス(・メンデス)がピッチの上にいないときには、カルロスにPKを蹴らせると決めていたのは私だった。そして、カルロスがどのようにあのPKを決めたのかは見ての通りだ。カルロスも今シーズンの出場時間が少ない選手の一人だが、そのなかで非常にいい働きをしてくれている。彼のためにも、そして他のあまりプレーしていない選手たちのためにも、私はあのゴールをとても喜んでいる」
 ほぼすべてのチームが、試合中に獲得したPKのキッカーを事前に決めている。ソシエダの場合はキャプテンのFWミケル・オヤルサバル(26)が1番手であり、右インサイドハーフを主戦場とするブライス・メンデス(26)が2番手だった。
 しかし、勝ち越しがかかった場面で、後半17分に先制点を決めていたオヤルサバルはフェルナンデスとの交代ですでにベンチへ下がり、メンデスに至っては累積警告で出場停止だった。そうした状況下でPKを獲得した経緯が、久保を突き動かした。
 後半43分に獲得した左CK。
 キッカーの久保が、中央の密集地帯に絶妙のボールを落としてくる。これはアルメリアのクリアにあったが、しばらくしてから主審が試合を止めた。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が介入し、さらにOFR(オン・フィールド・レビュー)が実施された結果、アルメリアの選手のハンドが確認された。
 自らのCKがPKを誘った経緯だけではない。20チーム中で唯一、未勝利で最下位にあえぐアルメリアに同点とされた責任を感じていたのも久保だった。
 ホームでは絶対に負けられない。アルメリアが前線からのプレスを強めていた後半31分。スペイン代表に初選出された守護神アレックス・レミロ(28)が、味方のバックパスをクリアではなく前方へつなぐ選択を下した。ターゲットは久保。しかし、手前でワンバンドする難しい状況で、ボールをうまく収められずに前方へ大きく弾ませてしまう。
 こぼれ球を必死に競り合った久保だが、相手に背後から転がされる形で失ってしまう。敵陣で攻撃に転じたアルメリアは細かいパスをつなぎ、最初のシュートこそレミロに防がれたものの、こぼれ球をMFセルヒオ・アリバス(22)が押し込まれた。
 久保はこのとき、両手を広げながら「なぜファウルを取らないのか」とアピールしていた。もちろん受け入れられるはずがない。スペインのスポーツ紙『MARCA』は同点とされた場面を、久保に厳しく言及しながら次のように報じている。

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