「特にしんどいとは思っていない」久保建英がW杯予選スタート前に明かした欧州組の過密日程による“疲労蓄積問題”の本音
ミャンマーとはカタールW杯出場をかけた、2019年9月のアジア2次予選初戦でも対戦し、森保ジャパンは敵地で2-0のスコアで勝利している。当時招集された23人のなかで、今回も代表に選ばれている選手は実はわずか6人しかいない。
4年前に先発していた冨安とMF南野拓実(28、モナコ)、MF堂安律(25、フライブルク)。途中出場したMF伊東純也(30、スタッド・ランス)と久保。そして、リザーブだったMF遠藤航(30、リバプール)。18歳だった当時も、そしていまもフィールドプレイヤーで最年少の久保は、22歳の若さにして“古参”の一人となりつつある。
ミャンマー戦が6試合目の代表戦出場だった当時の久保は、FC東京からレアル・マドリードへ電撃移籍し、期限付き移籍したマジョルカで武者修行を積んでいた。その後にビジャレアル、ヘタフェ、再びマジョルカへ期限付き移籍を繰り返し、昨シーズンにはソシエダへ完全移籍。ようやく築けた居場所でブレークを遂げたなかで国際Aマッチ出場数は「28」に伸び、2年前にはU-24代表の主力として自国開催の東京五輪にも臨んだ。
4年間に遂げた自身の変化を、久保は次のように客観視する。
「いい選手になっていると思います。あのころはイケイケ感がありましたけど、実力は確実にいまの方が上だし、何よりも落ち着いているのかなと」
コロナ禍で「26」に拡大されていたベンチ入りメンバー人数が、交代枠は「5」のまま、今回から従来の「23」に戻る。当初は26人を招集した森保監督は、特にヨーロッパ組のコンディションを見極めながらミャンマー戦、舞台を第三国のサウジアラビア・ジッダに移して21日に行われるシリアとの第2戦でメンバーを入れ替える方針だった。
しかし、三笘を含めて5人が離脱した一方で、追加招集された選手は現時点でDF渡辺剛(26、ヘント)ら3人。24人体制でミャンマー戦を迎える。
「いまいる選手がそのときのベスト。あとは選手が期待に応えるだけです」
こう語った久保は、最新のFIFAランキングでアジア最上位の18位の日本が、グループBで最も低い152位のミャンマーを迎える戦いへ気持ちを引き締めた。
「どれだけ力の差があっても、相手に引かれたらきつい試合になることもありますし、実際に僕たちがドイツやスペインに勝ったように、サッカーは何が起きてもおかしくない。日本が格上だとは思いますけどしっかりと地に足をつけて、早い時間帯での先制点を狙っていきたい。自分たちがいい準備をすることが、こうした試合では最も大事になってくる」
パナソニックスタジアム吹田を舞台にした公式戦では、前回カタール大会出場をかけた2021年9月のアジア最終予選初戦でオマーンに0-1で屈した苦い記憶がある。後半途中から投入されるも、流れを変えられなかった久保はこんな言葉とともに決意を新たにした。
「過去のこととかは気にしません」
キックオフは16日午後7時。最終予選を含めれば2025年6月まで続く、アジアから次回W杯が共催される北中米の3カ国を目指す長い戦いがいよいよ幕を開ける。
(文責・藤江直人/スポーツライター)