「笑っていられない」森保ジャパンがW杯予選初戦でミャンマーに5-0圧勝もシリア戦を前に喜んでいられない理由とは?
2026年のW杯北中米大会のアジア2次予選が16日にスタート、日本代表はパナソニックスタジアム吹田でミャンマー代表に5-0で圧勝した。FW上田綺世(25、フェイエノールト)がハットトリックを達成し、MF鎌田大地(27、ラツィオ)とMF堂安律(25、フライブルク)もゴールで共演した。しかし、鎌田が腰を痛めて途中交代。日本国内でのテレビ中継がまだ決まっていないなど、21日にサウジアラビアで行われるシリア代表との第2戦に向けて素直に喜んでいられない快勝発進となった。
途中交代の鎌田はサウジへのチャーター便に搭乗せず
ミャンマーから5ゴールを奪う圧勝発進から数時間後。シリア戦が行われるサウジアラビアへ向けて、関西国際空港を飛び立ったチャーター便に鎌田の姿はなかった。
試合後の取材エリアにも鎌田は重い足取りで姿を現していた。インサイドハーフの一角で先発し、前半28分には利き足と逆の左足から豪快なミドルシュートを一閃。昨年9月23日のアメリカ代表戦以来、419日ぶりとなる代表通算7点目を決めながら、ハーフタイムにA代表デビューとなるMF佐野海舟(22、鹿島アントラーズ)と交代していた。
予定通りの交代なのか、と問われた鎌田は「いや、そんなことはないですね」と否定。自身の体に何らかのアクシデントがあったとほのめかした。
「チームからそういう(怪我)のが言われると思う。そんな感じです」
10月シリーズで招集外となる原因だった膝を再び痛めたのか、と問われると「足ではないです」と即答。状態次第では代表離脱もある、というニュアンスの言葉も残した。
「全力でプレーできなかったらチームのためにもならないし、そこはチームと話し合ってから、という感じになりますかね」
日本サッカー協会(JFA)によれば、鎌田はミャンマー戦の前半に腰を痛め、静養が必要なためにサウジアラビアへ向かったチームから離脱。一夜明けた17日の状態を見て、追ってサウジアラビア入りするか、代表を離脱するかを最終的に判断するという。
森保ジャパンにとっても、鎌田自身にとっても痛いアクシデントだ。
今シーズンから所属するセリエAのラツィオで、開幕戦から4試合連続で先発した。しかし、その間に1勝3敗と黒星が先行する不振のなかでリザーブへ回された。攻撃面では評価されるが、ラツィオの中盤には大黒柱のルイス・アルベルト(31)が君臨する。2人の同時先発では守備のバランスが崩れるとマウリツィオ・サッリ監督(64)が判断した。
新天地の戦術にもすでに慣れたし、言葉にも特に困っていない。だからこそ、なかなか解決できない状況の真っ只中にいると、代表に合流した鎌田も認めていた。
「僕の絶対的な実力が足りない、というのもありつつ、チームとしてはアルベルトか僕という感じになっているし、そこのポジション争いで勝つのが一番難しい」
もちろん、簡単に白旗を上げるわけではない。
「自分がいるクラブは決して小さくはない。そのなかで数字といったものをしっかり残していけば、状況はまったく変わってくる。いいときもあれば悪いときもあるのがサッカーなので、いいときの自分に戻していかないとダメだといまは思っています」