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シリア戦の前半32分に先制弾を決めたのは久保建英だ(写真・日刊スポーツ/アフロ)
シリア戦の前半32分に先制弾を決めたのは久保建英だ(写真・日刊スポーツ/アフロ)

なぜ森保Jは“中継無き”サウジ開催のW杯二次予選でシリアに5-0圧勝できたのか…先制弾の久保建英はトリックプレーも披露

 

 利き足の左足から放たれた伊藤のクロスの標的はファーサイド。トップスピードで飛び込んできた伊東はシュートではなく、頭で中央へ折り返すパスを選択した。左右に振られたシリアの守備陣はまったく対応できない。あうんの呼吸でゴール中央へ詰めていた上田が、ノーマークの状態から確実に押し込んでゴールネットを揺らした。
 ミャンマー戦でハットトリックを達成した上田の勢いも止まらない。わずか3分後の40分。ペナルティーエリアの右角あたりに侵入した久保のスルーパスに伊東が反応。ゴールラインが見えるあたりからのパスに上田が反応し、今度は左足で押し込んだ。
 後半開始早々の2分にはトリックプレーが炸裂する。
 ペナルティーエリアの左角の後方で、上田が倒されて獲得した直接フリーキック。ボールの後ろには久保と菅原が立ち、久保が打つと2度見せかけた直後。ボールを蹴らずにまたいだ久保は右足でボールを軽く後方へ流す。以心伝心で反応した菅原が右足を思い切り振り抜くと、強烈なシュートがゴールの右隅へ鮮やかに突き刺さった。
 代表通算8試合目で嬉しい初ゴールを決めた菅原と久保は、実はピッチを離れても仲がいい。インドで2017年秋に開催されたFIFA・U-17W杯で共闘して以来、お互いのサッカー観を認め合い、チームの垣根を越えて切磋琢磨してきた。
 第二次森保ジャパンで右サイドバックのファーストチョイスになった菅原の初ゴールを、無二の盟友である久保がアシストする。
 中東の地で刻まれたドラマを含めて、スペインのスポーツ紙『AS』は「クボが日本代表に大きな爪痕を残した」と伝えた。
「レアル・ソシエダでプレーする日本人選手は、素晴らしいゴールとアシストで相手チームのゴールキーパーをパニックに陥れ、日本代表を快勝へと導いた。クボは日本の3つのゴールに絡んだが、特に4点目のアシストは、クボが直接フリーキックを蹴ると見せかけた仕草が、シリアのゴールキーパーへ恐怖心を植えつけていた」
 5-0で圧勝したミャンマー戦から中4日。試合が行われた大阪から関西国際空港発のチャーター便で、内戦でホーム戦を開催できないシリアが試合会場に選んだ第三国のサウジアラビア・ジッダに入り、プリンスアブドゥラー・アルファイサル・スタジアムで迎えた第2戦で、森保一監督(55)はターンオーバーを敢行。先発メンバーを9人入れ替えた。

 

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