中国メディアは早くも白旗も…なぜU-23代表が挑むパリ五輪予選アジア杯で「死のグループ」が生まれたのか?
「冷静に考えれば、アジアでは日本>>>>>韓国だ」
「昨年ボコボコにされた日本と同じグループになってよかったね。決勝トーナメントで会えば早期敗退を喫して、パリに行けないところだった」
「期待を捨て去れば無駄にストレスを溜め込む必要もない」
「中国の少林サッカーにだけは気をつけよう。負傷したら大変だ」
韓国を率いるのは、現役時代に4大会連続でW杯に出場したストライカーで、セレッソ大阪でプレーした1999シーズンにはJ1得点王も獲得した黄善洪監督(55)。韓国サッカー界のレジェンドの一人でありながら、韓国メディアの『Xportsnews.com』は「ほんの数カ月前まで、黄監督はサッカーファンから信頼を得られなかった」と伝えている。
「昨年6月に永遠のライバル日本に完敗を喫した黄監督は、今年9月から10月にかけて中国・杭州で開催されたアジア大会で3連覇を達成し、それまでの批判を正面突破で期待に変えた。しかも準々決勝で開催国の中国を下し、決勝では日本から逆転勝利をあげた。さらに今月のフランス遠征では、同国の伝説的なストライカー、ティエリー・アンリ監督が率いるU-21フランス代表に3-0で圧勝している。パリ五輪の優勝候補と目される開催国を相手に、敵地で注目に値する大波乱を起こしたチームは新しい歴史を作る準備ができている」
ただ、この記事も日本側の事情には言及していない。
コロナ禍で開催が1年延期された杭州アジア大会は、男子サッカーのレギュレーションが従来の23歳以下から24歳以下へ変更された。韓国はさらに最大3人が認められるオーバーエイジも招集していたのに対して、日本はあえて22歳以下だけの陣容で臨んだ。
しかも、日程が連続していた、パリ五輪アジア1次予選を兼ねたAFC・U-23アジアカップ予選とはまったく異なる陣容でチームを編成。杭州の地に乗り込んだのは大学生を多く含む、セカンドグループ的な立ち位置にいた選手たちだった。
もちろんパリ五輪をにらんだ強化の一環で、杭州アジア大会のメンバーから4人が先のアルゼンチン戦に臨んだU-22代表に招集。GK藤田和輝(22、栃木SC)がゴールマウスを守り、先発したMF佐藤恵允(22、ヴェルダー・ブレーメン)が先制ゴールを、途中出場のMF松村優太(22、鹿島アントラーズ)が4点目のゴールをそれぞれ決めている。
周到な強化プランのもと、ますます選手層を厚くしている日本の現在地を把握しているからか。中国メディアの『捜狐』は、日本や韓国と同グループになった組み合わせ抽選の結果を受けて「パリの灯は早々に消えるだろう」と早くも白旗をあげている。