2023年の岡田阪神と1985年の吉田阪神のどちらが強いのか…38年の時空を超えた日本一対決を考察してみた
1番・真弓明信(打率.322、34本、84打点)、2番・弘田澄男(打率.296、5本、22打点)、3番・バース(打率.350、54本、134打点)、4番・掛布(打率.300、40本、108打点)、5番・岡田(打率.342 35本、101打点)、6番・佐野仙好(打率.288、13本、60打点)、7番・平田勝男(打率.261、7本、53打点)、8番・木戸克彦(打率.241。13本、32打点)。
対する今季の阪神の投手成績は、防御率は2.66で、3年目でブレイクした村上頌樹が10勝6敗、防御率.1.75、伊藤将司が10勝5敗、防御率.2.39、大竹耕太郎が12勝2敗、防御率.2.26と2桁勝利投手が3人も揃った。さらに規定投球回数には届かなかったが防御率.1.82、8勝5敗の才木浩人、開幕投手を務め、日本シリーズの第7戦で好投を演じた青柳晃洋が8勝6敗、西勇輝が8勝5敗と先発が揃い、ブルペン陣も、桐敷拓馬、石井大智、岩貞祐太の左右の中継ぎに、走者を置いた場面で圧倒的な存在感を示した島本浩也、前半戦を支えた加治屋蓮に、ストッパーとして35セーブをあげた岩崎優が強力で、この部分も1985年の阪神を上回っている戦力だ。
三宅氏は「掛布はストレートを待って変化球に対応できるいわゆるA型の打者。えぐるようなシュートのある左投手は苦手としていたが、大竹、伊藤将の左腕2人には対応できる。ただ村上のひざ元の動くボールには苦労するのではないか。バースも同じく左投手を苦にしない。全盛期の1985年には外の変化球にも対応できていた。特に癖を盗むのがうまく西武との日本シリーズでも工藤のカーブの癖を盗んでホームランにした。大竹にも対応するしバースを抑えることだけは難しいかも」とシミュレーションする。
バースは日本シリーズの第1戦で0-0で迎えた8回にバースキラーとして中継ぎで出てきた工藤のカーブを捉えて勝負を決める3ランを放った。このシリーズでは、3本塁打を放ち、工藤から2本、変則左の永射から1本。広岡監督のバース封じは通用しなかった。
「真弓は右投手の外の変化球への対応が不得意。岡田は、ローボールヒッターでヤマ張りタイプ。坂本との配球勝負は面白い。それでも今季の阪神の投手陣なら、打線を分断することができるのでは」と三宅氏は見る。
1985年の阪神の弱点は投手力だった。
チーム防御率は4.16で、2桁勝利は先発陣では、13勝8敗、防御率.4.30のゲイル、12勝5敗、防御率.4.23の中田良弘の2人だけ。レギュラーシーズン、日本シリーズで共に開幕投手を務めた池田親興が9勝6敗、防御率.4.45で、5勝5敗、防御率.4.51の伊藤宏光(文隆)、3勝4敗、防御率.4.38の仲田幸司らが4番手、5番手の先発を務め、中継ぎは左腕の福間納、抑えは山本和行と中西清起の左右のWストッパーだったが、11セーブをあげていた山本が9月上旬にアキレス腱断裂の重傷を負い、そこからは中西が一人で、その役目を全うし、ゲームの終盤での逆転勝利がいかに多かったかを示すかのように11勝3敗19セーブ、防御率.2.67の数字を残している。