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今季ブレイクした左腕の大竹耕太郎(右)と1985年に3冠王を獲得したバースが対決すればどうなるのか?(写真・日刊スポーツ/アフロ)
今季ブレイクした左腕の大竹耕太郎(右)と1985年に3冠王を獲得したバースが対決すればどうなるのか?(写真・日刊スポーツ/アフロ)

2023年の岡田阪神と1985年の吉田阪神のどちらが強いのか…38年の時空を超えた日本一対決を考察してみた

 対する2023年の阪神のチーム打撃成績は、84本塁打、555得点、打率は.247。チーム犠打数は106。打順と成績を見てみると1番・近本光司(打率.285、8本、54打点、28盗塁)、2番・中野拓夢(打率.285、2本、40打点、20盗塁)、3番・森下翔太(打率.237、10本、41打点)、4番・大山悠輔(打率.288、19本、78打点)、5番・佐藤輝明(打率.263、24本、92打点)、6番・ノイジー(打率.240、9本、56打点)、7番・坂本誠志郎(打率.226、0本、21打点)、8番・木浪聖也(打率.267、1本、41打点)。1985年のメンバーと比べて数字では見劣りはする。それでも三宅氏は、こう想像をかき立てる。
「当時のエース格はゲイルと池田。ゲイルはナチュラルにボールは動いたが、手も足も出ないタイプではなく、クイックは得意な方ではなかった。おそらく1、2番の機動力にかき回される。池田もストレートとスライダーが軸でボールは重たかったが、球種が少ないので阪神打線に攻略されると思う。西武と戦った日本シリーズ同様、先発の頭数がいないので、池田、ゲイル、中田、伊藤の4人で回すことになるので、なおさら負担が大きくなる。ブルペンも日本シリーズのときは中西一人だったが、山本和とのWストッパーで戦えると想定しても、その前の7回が福間一人では、あまりにも弱い。強力打線でリードを奪ったとしても終盤に追いつかれる展開になると思う」
 一方で1985年のチームで先発の中心を担った池田氏は、「ペナントレースの戦いであれば、投手力で勝る2023年の阪神が勝つでしょう。でも7試合の短期決戦ならば打線が爆発して1985年のチームが勝つのでは」と、三宅氏とは真っ向反対の意見だ。
「投手力の比較は、中継ぎも含めて、質、量ともに今季の阪神が数段上。当時のメンバーの私が言うのだから間違いない(笑)。ただ短期決戦なら、私も西武との日本シリーズでは中4日で投げたし、先発は4人いればなんとかなる。5戦目は、もうブルペンデーになるが(笑)。最小失点に踏ん張って、打線が点を取ってくれるのを待つパターン。投手の側から見ると、1、2番、特に近本を出さないこと。彼への攻め方としては高めのボールを使うことがポイントになる」
 短期決戦はロースコアの投手戦になるケースが多いが、池田氏は1985年の阪神ならば打撃戦に持ち込むことが可能ではないかと想定した。
「1番の真弓さんの次を打つ弘田さんがポイント。吉田監督の戦術は、基本バントで、あとは、選手任せだが、弘田さんは、いろんなことができる。バース、掛布さん、岡田さんのクリーンナップを抑えるのは、今年の村上、伊藤将、大竹、才木の4本柱でも大変。今年の日本シリーズは本塁打が少なかったけれど、一発攻勢で勢いがつくと止められないのではないか」
 さらに池田氏は岡田監督と吉田監督の采配対決にも注目だという。
「2人共に我慢の采配ができるタイプ。そして2人共に手堅い。日本シリーズではオリックスの中嶋監督の打つ手が裏目に出たが、岡田監督と吉田監督の対戦となれば、お互いが先の先を読み合って、どちらが先に仕掛けるかのタイミングが見ものだと思う」
 こんな楽しい想像ができるのも阪神が日本一に輝いたからこそ。1985年のタイガースも2023年のタイガースも全国の阪神ファンに感動を与えてくれたことだけは間違いない。
(文責・RONSPO編集部)

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