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元日本代表主将でもある46歳の宮本恒靖氏が日本サッカー協会の会長に就任することが事実上決まった
元日本代表主将でもある46歳の宮本恒靖氏が日本サッカー協会の会長に就任することが事実上決まった

戦後最年少となる46歳の“ツネ様”宮本恒靖氏の日本サッカー協会会長就任で何がどう変わるのか?

 外部から招聘されていた前専務理事、須原清貴氏(57)の任期途中の辞職に伴う人事だったが、須原氏が残した言葉から宮本氏が大抜擢された理由が伝わってくる。
「ピッチ上だけでなく、事務方を含めたピッチ以外のパフォーマンスの両方が世界基準になっていく必要性がより高まっている。ピッチ上においては、カタールW杯で選手たちが躍動してくれた。それに合わせて事務方も世界レベルになっていかなければいけない。マネジメント、マーケティング、ガバナンスでさらに高みを目指していくためには若い力が絶対に必要。宮本氏は冷静沈着で非常に優秀で、選手だけでなく指導者としての経験もある。新しい時代を開いていくために、極めてふさわしい専務理事になれると確信している」
 JFAを世界基準に導いていく上での肩書きが、日常の業務を統括する事務方トップの専務理事から、Jリーガー及びW杯代表戦士が初めて就く、戦後、歴代最年少の会長に変わる。
 世界基準の件で言えば今月に入って、アジアサッカー連盟(AFC)及び国際サッカー連盟(FIFA)内で、JFAのプレゼンス低下を痛感させられる出来事があった。
 すでに2試合を終えている、次回2026年の北中米W杯出場をかけたアジア2次予選。日本代表が所属するグループBは16日の第1節で、日本のホーム扱いでミャンマー代表戦が、北朝鮮代表のそれでシリア代表戦がそれぞれ組まれていた。
 シリアとの第2戦を21日に敵地で控える日本は、北朝鮮-シリアにスカウトを派遣したい。試合会場が平壌となれば、特別な渡航及び入国手続きが必要になる。しかし、詳細がいっこうに発表されないまま、今月に入ってシリアのホーム扱いに突然変更された。
 JFAにとっては寝耳に水の変更だった。しかも、長引く内戦でホーム戦を国内で開催できないシリアは、第三国のサウジアラビア・ジッダで北朝鮮戦を開催。移動日や時差調整などをまったく必要としない状況で、日本との第2戦を迎えられる。
 試合そのものは日本が5-0でシリアに快勝した。しかし、ホーム&アウェイ方式で公平を保っていく上で、宮本氏は「二国間で変更を決めてしまうのはフェアではない」と不快感を露にし、AFC及びFIFAに抗議したと明かしている。
「4カ国で情報の共有があったなかで試合会場が変更された、という事実がなかった。突然発表された経緯からすると、日本としては『それはおかしい』とAFCにもFIFAにも言いました。なかなか答えが届かず、違ったアクションを起こそうかと考えていたなかで、ようやく返ってきたのが『今回の決定が最終的なものである』でした。もちろん納得できない部分がありますし、その後もJFAとしてAFCなど外部とのやり取りはしています」
 上部団体に対してモノを言える組織であるためにも、トップを務める人間の顔は極めて大事になる。宮本氏の場合、ピッチ内外における国際的な知名度はすでに高い。

 

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