元名捕手ポージーが明かす大谷翔平との交渉舞台裏…ジャイアンツの7億ドルの打診を断りド軍を選んだ理由とは?
いよいよ日本時間明日15日、午前8時から大谷翔平(29)のドジャース入団会見が行われる。一方でサンフランシスコでの直接面談にまでこぎつけながらも争奪戦に敗れたのがジャイアンツだ。ファルハン・ザイディ編成本部長、ジャイアンツ一筋で引退した“MVP”名捕手バスター・ポージーが、米スポーツサイト「ジ・アスレチック」の取材に応じて、その交渉裏舞台を明かした。そこから見えてきた大谷がド軍を選んだ理由とは?
ドジャースの同じ条件を提示
「ドジャース大谷」のお披露目が近づいてきた。14日の午後3時(日本時間15日の午前8時)にドジャースタジアムのセンターフィールドプラザに設定される特別舞台で入団会見が行われることが発表された。取材陣が多すぎて対応できないためで、会見の模様は、「MLB.COM」などでオンラインで生配信される。
10年7億ドル(約1015億円)の97%を後払いにするなどの契約の詳細なども徐々に明らかになってきたが、サンフランシスコで直接面談までこぎつけていたジャイアンツのザイディ編成部長が、メディアに取材対応して、交渉過程と、敗因、大谷がド軍入りを決めた理由について明らかにした。
ジャイアンツが代理人にオファーをかけたのは11月。ジャイアンツ一筋でプレー、捕手として現役時代に3度のワールドシリーズ制覇に貢献、首位打者、MVP、ゴールドグラブ賞、カムバック賞などを獲得したポージーが、現役時代の代理人が大谷と、同じくネズ・バレロ氏だったため「我々と一番最初に大谷と面談させてくれ。いかに重要かを理解してくれ」とお願いしていたという。
ジャイアンツは2017年に大谷が日ハムからポスティング申請した際にも交渉に乗り出していた。だが、そのシーズンは98敗と惨敗していたことに加え、まだナ・リーグが指名打者制を導入していなかったため、エンゼルスに敗れた。まさに5年越しのラブコールだったわけだ。
12月2日にサンフランシスコにある本拠地のオラクル・パークで、ボブ・メルビン新監督、ザイディ編成本部長、グレッグ・ジョンソンオーナー、そして経営者グループの一員でもあるポージーが大谷と約2時間の直接交渉の機会を持った。
「球団についてや歴史、我々の哲学、プラン、球場、球場での打撃についての話をした」とザイディ編成本部長。
オラクル・パークは、その右中間が深い特異な形状とライトスタンド後方の海から向い風が吹くため左打者が不利とされている。面談では、大谷の打球角度と速度であれば影響が最小限度に収まることや、近年、ライトスタンドのアーチ型の通路を幕で覆ったためライトからセンターへ向かって吹く浜風が和らぎ、ライトへの本塁打が増えていることを説明した。
また契約金については、交渉過程で3度引き上げて、最終的には、大谷サイドの要求をすべて反映させてドジャースと同じ10年7億ドル(約1015億円)で、その97%を後払いにする特異な契約をオファーしたという。
だが、大谷が選択したのはドジャースだった。ザイディ編成本部長は、大谷がドジャースを選んだ理由について、こう分析した。