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1.28有明で武尊とロッタンがついに対決
1.28有明で武尊とロッタンがついに対決

「地球上最高の殴り合い」武尊は天心戦で失った“何か”を1.28有明「ONE165」で実現したロッタン戦で取り戻すことができるのか?

 ルールはクリンチなし肘打ちなしのキックボクシングルール。
 チャトリCEOは、ONEムエタイ王者であるロッタンの得意なムエタイルールではなく、キックボクシングルールを選び、公平さを保った。
 ロッタンは、「このルールで豊富に試合をしているし、ONEでも2、3試合経験しているので、ムエタイルールであろうと、キックルールであろうと、(強さを)証明できると思う」と問題にせず、武尊も「キックボクシングルールは、K-1ルールとも違うが、いつも通りの試合をしたい」と言う。
 ただ3分×5ラウンドのONEのタイトル戦で採用されるレギュレーション。完全決着となるだろう。
 またただでさえ減量の厳しい武尊にとっては、もうひとつのハードルがある。  
 ONEでは、選手の健康管理を徹底しており、水抜きは禁止。ハイドレーションテストもあり、体の水分量もチェックして規定以下であれば罰金や階級移動を科せられる。試合は約2か月先だが、すでに武尊はテストをしているという。
 武尊は、ロッタンに勝てるのか。
 2人は共に足を止めて打ち合う好戦的なファイター。
 武尊は「2人はよく比較されるがスタイルが似ている」と認めた。
 ロッタンも同じ見方をしている。
「フランスの試合は見ていないが、彼の試合は多く見ているし、彼のスタイルは自分に似ている攻撃的なスタイル、激しい打ち合いをする印象がある」
 勝敗のカギを握るのは、パンチを放つ数ではなく、ディフェンスの技術だろう。互いに被弾はするだろうが、それを数センチ狂わせることができるかどうか。ガードとボディワークのスキルが問われる。ここは武尊の問題点でもある。
 そして試されるのは2人の戦う気持ち。心が折れたほうが負けである。心技は一体で5ラウンドを戦うスタミナは武尊も十分に備えている。
 写真撮影の際のフェイスオフで2人は、しばらく互いに目をそらさなかった。チャトリCEOが思わず間に割って入ったほど。
 ONEの最高トップは、この試合を「2人の長いストーリーの序章が始まる」と言った。
「武尊は、ゆくゆくはムエタイで王者になっていく選手だと思う。キックでも王者なっていくだろう」
 現在のONEの同階級のキック王者は、スーパーレック。そして同ムエタイ王者はロッタン。武尊が勝てば、スーパーレックへの挑戦権を得る可能性があり、また試合の内容次第では、今度は、ムエタイルールでのロッタンへの王座挑戦という形での再戦もあるだろう。武尊が、アジア最大級の格闘技団体ONEのトップ戦線に加われるかどうかを試される戦いとなる。

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