「ヤンキースはもて遊ばれてメッツは利用された」山本争奪戦でドジャースに敗れたメッツとヤンキースが大ショック…メッツはド軍と同じ12年463億円、ヤ軍は10年427億円を提示も
一方でヤンキースも2度にわたる直接面談の甲斐もなく敗れた。キャッシュマンGMは、来日して山本のノーヒットノーランを目撃。今季1年間、背番号「18」を空けて待ち、2度目の面談では、そのユニホームを手渡していたが、ラブコールは実らなかった。前出の「SNY」は、複数の情報筋の話として「山本の最終候補は、ヤンキースとドジャースだった。ヤンキースは山本を求め、非常にアグレッシブな提示をした。しかし彼らは、メッツやドジャースとのマネーゲームを嫌がった」という。
前出のNj.comは「ヤンキースが山本争奪戦で有利な立場にあったと考えていたことに疑いはない。ドジャースはより多くの金額を提示しただけでなく、スーパースターたちの最優先の移籍先とさせていた分野においても、ヤンキースを超えていった」と分析。大谷翔平が、先にドジャース入団を決めた影響力が大きかったとの見方を示した。
「ハル・スタインブレナー氏は何も謝ることはない。彼は、山本に年平均2700万ドル(約38億5000万円)のドジャースよりも高い3000万ドル(約42億8000万円)を支払おうとしたのだ。彼は、ゲリット・コール並みの富を山本にもたらす用意があった」
ただ球団内にはマネーゲームに参加するリスクを危惧する声があったという。
その上で同メディアは「たとえスタインブレナー氏が、金額を釣り上げても、ヤンキース、もしくはメッツは、この戦いには勝てなかっただろう。山本は日本の国民的ヒーローで、同じ母国の大谷翔平とチームメートになることを望んだ。ドジャースは、すでにレイズの元エース、タイラー・グラスノーを山本と並びに加えて恐ろしい10月へ向けたローテーションを形成した。1988年以降で優勝1度だが、ドジャースは100勝したシーズンを終えてきたばかりだ。彼らは過去10年で球界最高勝率を誇っている。山本は長年にわたりドジャースのファンだったことを友人に話していた」と敗因を分析した。
同メディアは、最後に「これまでのヤンキースは、FA争いにおいて楽々と勝利を収めてきた。だが、今回は2番手で終わった。これも時代の変化だ」と振り返り、資金力のある名門ヤンキースだからといって、何もかも手にできる時代ではなくなったことを伝えた。
ドジャース、メッツ、ヤンキース、ジャイアンツ、レッドソックス、フィリーズ、ブルージェイズの7球団が争った山本争奪戦は、最新のFA市場のトレンドを表現する結果になったのかもしれない。