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広島からオリックスにFA移籍した西川龍馬が移籍会見でユニホーム姿を披露
広島からオリックスにFA移籍した西川龍馬が移籍会見でユニホーム姿を披露

「今までの野球がどこまで通じるか」オリックスに広島からFA移籍した西川龍馬は“打倒阪神”日本一奪還の“使者”となれるのか?

 オリックスにとっては、チームの補強ポイントを埋める、これ以上ない補強となった。福良GMは「得点力アップと外野守備の強化という点で合致した。西川選手は天才的なバットコントロールを持ち、技術が高い。チャンスメークにもポイントゲッターにもなれ、いろんな役割ができる打者。打線の中で選択肢が増える」と期待を寄せた。今季はチーム打率、本塁打はともにリーグトップだったが、チーム得点の508は、ソフトバンクの536、楽天の513に次いでの3位で、中嶋監督が頭を使い、135通りの打順を組んだが、言い方を変えれば、固定できなかったということ。今季は吉田の穴を、FAで森友哉捕手を西武から獲得したことで埋めたが、日本シリーズでは、首位打者の頓宮裕真や“ラオウ”杉本裕太郎がケガで本調子ではなく阪神に3勝4敗で敗れた。不測の事態に備え、さらに選手層を厚くすることが必要だった。
 気が早いが、もし日本シリーズで阪神との関西シリーズが再現すれば、広島時代に阪神をよく知る西川の存在は頼もしい。ちなみに今季は対阪神の成績は打率.306、1本塁打、10打点で得意としていた。
問題は、西川がどこまでパ・リーグの野球に対応できるか、という部分。
「パ・リーグのパワー野球に1年ぐらい前から興味を持っていた。ただ、対戦した投手が少ないので正直ちゃんとできるのか不安。パ・リーグはパワーピッチャーが多いイメージ。いままでやって来たことが、どこまで通じるのか」
 西川は、正直に不安を口にしたが、今季の交流戦では全18試合に出場し、打率.343をマーク。特に西武戦で.583、ソフトバンクで.455と打ちまくっている。
 南海、近鉄OBで現役時代に通算2000本安打を放ち、オリックス、広島などで2軍監督、打撃コーチを務めた新井宏昌氏(72)は西川の活躍に太鼓判を押す。
「間違いなく打線強化になる。森の捕手としての負担を考えると森が5番で西川の3番がいいかもしれない。山本由伸が抜け、投手陣が苦しくなりそうな状況だけに、打線でカバーするという、いい補強をしました」
 セとパの野球の違いについては「かわしにくる駆け引きのセ・リーグと力の勝負のパ・リーグ」と解説。
「(広島風と関西風の)お好み焼き以上の違いがあるかもしれません。しかし、もしかすると西川には力勝負が合うかもしれない」と話し、それを支える優れた技術力について、こう触れた。
「何よりバットの軌道が素晴らしい。肘も伸ばした状態、畳んだ状態の両方で使え、打つポイントも投手寄りだったり、キャッチャー寄りだったりと、幅が広くて奥深い。だから広角に打てるし、ときに右方向への打球速度も速く、飛距離の出る打球が打てる。うまさと思い切り、シャープさと力強さがある」

 

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