立浪竜が巨人を自由契約で出た中田翔の獲得に成功。一方でポジションがなくなるビシエドのトレード説が急浮上している(写真・黒田史夫)
立浪竜が巨人を自由契約で出た中田翔の獲得に成功。一方でポジションがなくなるビシエドのトレード説が急浮上している(写真・黒田史夫)

中田翔の中日入り決定的でビシエドのトレード説が急浮上

 谷繁元信監督時代の2016年に森野将彦、福田永将を一塁で起用して超攻撃的打線を組むために9試合だけレフトを守ったことがあるが、足も肩もない来季で35歳となるビシエドを外野で起用するプランは考えづらい。右の代打でしか出番はないが、立浪監督は、右の代打の切り札として巨人を戦力外となった中島を獲得している。ここでもビシエドに出番はない。
 中田がケガをした場合にも、ドラフト2位で三菱重工Eastの津田啓史、ドラフト3位で仙台大の辻本倫太郎の2人を獲得したことで内野手の層がより厚くなったので石川昂弥を一塁に動かすこともできるし、いくらでも代役はいる。しかも、ビシエドは来季が複数年契約の最終年で推定年俸が3億5000万円と高い。2番手の右の代打が、この年俸では、球団の経営上、あまりにも費用対効果が悪い。加えて、今季の成績は、91試合に出場し、打率.244、6本塁打、23打点、得点圏打率.205と、来日8年目にして、すべてがワーストの数字。
 立浪監督はキャンプでビシエドに対して「今も(ビシエドの突っ込む悪い癖が)直らないじゃないですか。本人もわかっているができない。相手バッテリーはピンチでビシエドを迎えてもインコースにさえ投げることさえできれば打ち取れるんです。データに出ています。わかっている結果をベンチから見ている我々も辛いですよ。今年は勝てる選手を使います。給料とか実績とかは関係ない」と厳しく評価していた。実際、今季はスタメンどころかファームにも2度落とした。シーズン中には、「衰えていることに気づかないと」との苦言も呈した。
 そこでチーム内外で急浮上しているのがビシエドのトレード説だ。幸いにも8年間のプレーを終えて国内FA権を得たビシエドは来季日本人扱いとなって外国人枠から外れ、他球団に移籍する場合の障害がひとつクリアされている。
 橋上氏も「中日にすれば、もう使うところのないビシエドでなんとか商売をしたいでしょうね。でも年俸がネックだし、簡単ではないと思います。中日が、ある程度、肩代わりするなどの策を講じることも必要でしょう」という見方をしている。
 実際、球団の中でもビシエドのトレード放出が検討されているという。
 ただ橋上氏が指摘するように3億5000万円の年俸がネック。トレードされても、その契約は遂行されなければならないため、中日がいくらかを肩代わりをしなければ成立は難しいだろう。
 しかも、今季の本塁打王であるロッテのグレゴリー・ポランコが、リリースされて自由契約となったため、資本力があって打線強化をテーマするチームは、まずポランコに目を向けるかもしれない。
 ただ繰り返すが、ビシエドが日本人扱いとなるのは、プラス材料。年俸の負担が少なくて済むのであれば、トレードに乗ってくるチームが出てくる可能性も否定できない。ビシエドの交換で中継ぎを補強できれば申し分はないのだが…。オフの“台風の目”となっている立浪竜の動きに、まだまだ目が離せない。
(文責・RONSPO編集部)

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