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リバプールの遠藤航がフルアム戦の後半から出場して豪快なミドルでプレミア初ゴール。値千金の同点ゴールが逆転勝利につながった(写真・ロイター/アフロ)
リバプールの遠藤航がフルアム戦の後半から出場して豪快なミドルでプレミア初ゴール。値千金の同点ゴールが逆転勝利につながった(写真・ロイター/アフロ)

「投入に疑問を抱いたサポーターも予想できなかったヒーロー」英メディアがリバプール遠藤航のプレミア初ゴールを称賛

 日本代表のキャプテン、MF遠藤航(30、リバプール)が待望のプレミアリーグ初ゴールを決めた。本拠地アンフィールドにフラムを迎えた3日(日本時間4日)の同リーグ第14節で、後半38分から途中出場した遠藤はわずか4分後に、ペナルティーエリアの外から起死回生の同点ゴールを一閃。勢いを取り戻したリバプールは直後にもゴールを決めて4-3で逆転勝ちした。短い出場時間で強烈なインパクトを残した遠藤を、英国の公共放送『BBC』はMVPに選出、地元紙は「誰もが予想しなかったヒーローだ」と絶賛した。

 後半途中出場で豪快な同点ミドルを決める

 

 アンフィールドを覆った暗雲を、遠藤の右足が振り払った。
 前半を2-2で折り返した壮絶なゴール合戦は、後半35分にフラムがジャマイカ代表FWボビー・リード(30)のゴールで初めてリードを奪う。追い詰められたリバプールのユルゲン・クロップ監督(56)は、直後の同38分に4枚目の交代カードを切った。
 オランダ人のMFライアン・グラフェンベルフ(21)に代わって投入されたのは遠藤。今夏の加入以来、プレミアリーグで前節まで出場8試合、計211分間のプレーで放ったシュートが0本。中盤のポジションをつかみきれないでいた日本代表のキャプテンが、わずか4分後にリーグ戦初ゴールを決める展開をこのとき誰が予想しただろうか。
 歓喜の瞬間は自陣から放たれた一本の縦パスから幕を開けた。
 フランス代表DFイブラヒマ・コナテ(24)のロングフィードを、前線の左側にポジションを取っていたウルグアイ代表FWダルウィン・ヌニェス(24)が巧みに落とす。そして、エジプト代表FWモハメド・サラー(31)がエリア内でボールをキープする。
 このとき、ヌニェスやサラーらに引きずられる形で、実に7人ものフラムのフィールドプレイヤーが自陣のペナルティーエリア内に戻ってきていた。必然的にバイタルエリアに生じた大きなスペースにサラーも、そして遠藤も気がついていた。
 中盤の深い位置からスルスルとポジションを上げながら、両手を下に広げた体勢で遠藤がボールを要求する。以心伝心とばかりに、サラーが相手を背負いながらマイナス方向へパスを送る。ペナルティーエリアの手前でステップと体勢を整える時間と余裕を与えられた遠藤は、ゴールのほぼ正面からダイレクトで右足インサイドをヒットさせた。
 丁寧なコントロールショットは、カーブの軌道を描きながらゴール上の右角に突き刺さった。ドイツ代表歴を持つフラムの守護神、ベルント・レノ(31)の必死のダイブも無意味にする起死回生の同点劇。息を吹き返したリバプールは、直後にイングランド代表DFトレント・アレクサンダー・アーノルド(25)が勝ち越しゴールで続いた。
 英国の公共放送『BBC』は、合計7ゴールが生まれた展開を「リバプールがスリリングな試合運びで逆転勝利を収めた」と速報で伝えた。もっとも、興味深かったのは視聴者による選手採点の平均で選出される「プレイヤー・オブ・ザ・マッチ」だ。
 遠藤の平均採点は10点満点中で「7.61」をマーク。決勝点に加えて、芸術的な直接フリーキックで先制点となったレノのオウンゴールを誘発していたアーノルドの「7.36」を押さえて、出場した15選手のなかで堂々のトップに選出された。

 

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