「投入に疑問を抱いたサポーターも予想できなかったヒーロー」英メディアがリバプール遠藤航のプレミア初ゴールを称賛
出場時間は7分あまりながら、それだけ強烈なインパクトを残した証となる。実際、同メディアのコメント欄には遠藤への賛辞が相次いでいる。
「遠藤との幸せな物語は、誰もが大好きです」
「守備はお粗末だったが、遠藤が試合の流れを変えた」
「最初から遠藤を起用すべきだった。ユルゲン・クロップ監督が先発で送り出したチームは、相手を無失点に抑えるだけの態勢が整っていなかった」
「遠藤は次の試合で先発する準備を始めなければいけない」
リバプールの地元メディア『LIVERPOOL ECHO』は、タイトルに「遠藤航は誰も予想しなかったリバプールのヒーロー」と打った記事で遠藤を称賛している。
「最高の勝利とは常に予想外のものである。しかし、残り7分で遠藤が投入されたとき、その選手起用に首を傾げるサポーターが少なからずいた。厄介な相手であるフラムにリードされている状況での守備的MFの投入は、誰もが求めるさい配ではなかった。しかし、疑心暗鬼になる必要はなかった。遠藤が決めた同点ゴールが、リバプールを蘇らせたからだ」
ブンデスリーガ1部のシュツットガルトのキャプテンとして、開幕直前の今シーズンに備えていた遠藤は8月18日にリバプールへ電撃移籍。すでに開幕していたプレミアリーグで、手薄さを露呈していた守備的MFを救う期待とともに迎え入れられた。
しかし、並行して戦っているUEFAヨーロッパリーグでは1ゴールを記録するなど、コンスタントにピッチに立ってきた。しかし、世界中から猛者たちが集うプレミアリーグでの先発は、前節まででわずか2回にとどまっていた。
前出の『LIVERPOOL ECHO』も「ブンデスリーガでは非常に高い評価を得ていた遠藤だが、プレミアリーグの荒波にもまれて、納得のいくプレーはまだできていない」と前節までの遠藤を評価しながら、フラム戦での活躍を受けて論調を一変させている。
「ゴールだけでなく切れ味鋭いタックルなど、チームを救うために必要なものをピッチに注入した。遠藤にとっては、低迷していたアンフィールドでのキャリアから脱却する上で必要なきっかけを手にしたはずだ。リバプールの過密スケジュールと負傷者リストに名を連ねる選手数の多さを考えると、今後数週間はすべての選手がフル稼働しなければならない。遠藤にとってはこの試合が、本当の意味でのスタートになるかもしれない」
リバプールはフラム戦を皮切りに、26日のバーンリー戦までの24日間で公式戦8試合を戦う過密スケジュールに臨んでいる。その初陣で痛快無比な救世主となった遠藤が、リバプールの熱狂的なサポーターからようやく認められ、居場所を築き始めた。