「それっておかしくないですか?規定ですから」中身のない回答を続けた日大会見…何もかも疑問だらけのアメフト部廃部方針の承認問題…不透明な「継続審議」の行方
一方の林理事長は「継続審議中」であることを繰り返し強調した。
「学生にも何度もヒアリングを重ねている。各学生がどういうことを思っているか、感想文も受領している。廃部というのは、スポーツ運営委員会のひとつの方針。理事会を経ないと決定ではない」
林理事長は反対意見が出たとされる理事会の中身も明かさず自らの意見を問われ「申し訳ございませんが、私自身の考えはご容赦をいただきたい」と答えなかった。
「世論に揺れているというわけでなく、競技スポーツ運営委員会は、きちっと自分たちの考えを出し理事会もきちっと自分のお考えをお示しくださっている」
なぜ継続審議をしているかの理由も明かさない。
撤回の可能性はあるのか?と聞かれ、「審議がそうなればそうなる」と否定しなかったが、一般論を語ったに過ぎない。
だが、連帯責任論については持論をこう展開した。
「連帯責任については、討議しておりましたが、連帯責任はできるだけなくしたいと思っています。でも、でも、でもですよ。これだけチームメイトに迷惑をかけた個人がいたときは、うまく言えないが、連帯責任は肯定すべきではないが、そうしなければならないときはあるのでないかというのが私の考え」
すなわち廃部に反対ではないのだ。
6か月の50%の減俸処分を受けた林理事長は、引責辞任を否定した。当事者であることから参加しなかった理事会の決定を「公正な判断」とし、辞任しない理由を「いろんなご意見があるかと思いますが、改革途中。これを成し遂げなければならないという気持ちが強い」とした。だが、何も変わっていないこと、何もする気がないことが、会見で白日のもとにさらされることになった。
驚いたことに廃部の最終決裁を一連の責任を負ってすでに来年3月31日付での辞任が決定している酒井学長が行うというのである。報告書には「廃止(廃部)は常務理事会、理事会の議を経て、最終的に学長の決裁により決定となります」とある。
林理事長に会見でぶつけた。
――それっておかしくないですか?
「規定ですので」
――それこそが第三者委員会に指摘されたコンプライアンス不全の代表では?
「はい。今規定ではそうなっておりますし、学長は3月までいますんで、当然決裁ということになる。どちらが先になるか難しい問題。アメリカンフットボール部も問題を今後3月のちまで持ち越すことは考えにくい。規定は確かに十分とはいえない。報告書のなかでも、手順を変えていかなくてはいけないと書かれている。変えていかなくてはならないが、それまでにこのようなことがありました。先にすべきことはすべきと私は考えます」