元阪神の高山俊はオイシックス新潟アルビの“ノムさん方式”で再生しNPB復帰できるのか…コーチ兼任要請を拒否してバット1本で勝負
橋上監督は「その可能性は十分にあると思う。私たちもNPB復帰を全力でバックアップしたい」と太鼓判を押した。
「トライアウトで、その打撃技術は一人だけ群を抜いていた。正直どこかから声がかかると覚悟していた。プロ1年目に136安打を放ったバットコントロールは今なお健在。守備力には問題はあるが、セ・リーグなら代打の切り札になれるし、パ・リーグならDHでも戦力になる」
高山はトライアウトでは、第1打席にはソフトバンクの左腕、岡本直也のインコースへのストレートを捉えて右中間を破る二塁打。第3打席にも元ヤクルトの山川晃司がインハイへ投じたストレートを引っ張って一、二塁間を破るヒット。さらに「初めての投手だったがクイックも早くなかったので変化球カウントを狙って」盗塁も決めて、走力もアピール。新潟はすぐさま正式オファーをかけた。
高山は、日大三高―明治大を経て2015年のドラフトで、阪神とヤクルトから1位指名を受け、抽選の末、交渉権を獲得した阪神に入団。新人離れしたスキルで1年目に球団の新人の最多安打記録を更新する136安打をマークして、打率.275、8本塁打、65打点の成績を残し新人王に輝いた。だが、右打ちなど、打撃に制限をかけられ始めた入団3年目から打撃が狂いはじめ、徐々に出場機会が減り、昨年オフには、現役ドラフトの候補となっていた。新監督に就任した岡田監督が、そのリストから外させて再起に期待をかけたが、オープン戦で結果を残せずに開幕1軍を逃し、今季は一度も1軍昇格機会はなく、オフに戦力外通告を受けた。2軍では打率.249、9本塁打、37打点の成績だった。
橋上監督はすでに“高山再生プラン”を頭に描いている。
「近年成績を残せなかった理由のひとつにはモチベーションの問題もあったと思う。岡田監督にあれだけ期待されながら結果を出せず、優勝争いをする1軍は、左の代打に糸原がいて、外野は、近本、ノイジー、森下で固まり、もう食い込む余地がなくなっていくチーム状況の中でモチベーションを維持することは難しかったと思う。心技体というけれど、“キレ”というものは、やる気と関係している。トライアウトでのバッティングはとてもシャープだった。新天地の新潟では、まずやる気が違ってくるでしょう。彼は野球エリートなので、そのプライドをリスペクトしながら、モチベーションを高めてあげたい」