元阪神の高山俊はオイシックス新潟アルビの“ノムさん方式”で再生しNPB復帰できるのか…コーチ兼任要請を拒否してバット1本で勝負

　橋上監督は、ヤクルト、阪神の現役時代と楽天のコーチ時代を通じて、“再生工場”として知られたノムさんのノウハウを見てきた。ヤクルトで元広島の小早川毅彦、楽天で元中日の山崎武司を本塁打王を獲得するまでに蘇らせたパターンが、高山にもあてはまるのではないか、と見ている。
「野村さんが、実績のある打者の再生に対して試みた手法は配球の読みに興味を抱かせるというアプローチだった。移籍した小早川が巨人との開幕戦で3本のアーチを描いたのも、山崎が本塁打王になったのも、どちらかというと積極的ではなかった配球の読みを打撃に取り入れたことにある。高山の考えをまだ聞いていないが、ボールをコンタクトするセンスがあるゆえ、まだ配球の読みという部分に、伸びしろがあるように思える。そこに興味を持ってもらい一緒に取り組めば再生できる」
　ノムラID野球を継承する橋上監督は、巨人の戦略コーチ時代にも阿部慎之助に配球の読みのノウハウを伝えて結果につなげ、2013年のWBCでもコーチとして情報戦の中心を担った。橋上監督との出会いが高山を再生へ導くかもしれない。
　橋上監督には、高山の起用に関しての青写真もある。
「打順は何番でも順応できると思う。できるだけ打席が多く回ってくるところに置きたいが、3番、4番、5番と打てる。ウチの外野は揃っているが、トライアウトではライトを守っていたし、守備力もNPBにアピールさせてあげたいので、ライト、DHで起用していくことになると思う」
　高山の打棒が完全に復活して、チームの勝利に貢献すれば、NPB各球団の編成担当の目に留まるだろう。シーズンに入れば、ケガ人や思いもよらぬ打撃不振などで、左の外野手の緊急補強が急務となるチームが出てくるかもしれない。
　阪神から戦力外通告を受けた元新人王は、新天地の新潟からのNPB復帰という波乱の人生ドラマを演じることができるだろうか。
（文責・RONSPO編集部）