• HOME
  • 記事
  • サッカー
  • なぜ神戸の大迫勇也は33歳になっても「半端なかった」のか…MVPと得点王をダブル受賞
神戸の大迫勇也がMVP&得点王をダブル受賞した
神戸の大迫勇也がMVP&得点王をダブル受賞した

なぜ神戸の大迫勇也は33歳になっても「半端なかった」のか…MVPと得点王をダブル受賞

  Jリーグの年間表彰式、Jリーグアウォーズが5日夜に横浜アリーナで開催され、クラブ創設29年目でJ1リーグ初優勝を果たしたヴィッセル神戸のFW大迫勇也(33)が最優秀選手賞(MVP)を初受賞した。自己最多の22ゴールで初の得点王を獲得し、神戸をけん引してきた大迫だが、2021年夏にドイツから復帰後は怪我の連鎖で精彩を欠き続けてきた。5月に33歳になった今シーズン、なぜ個人タイトルを総なめにする復活劇を遂げることができたのか。

 「最後の最後まで刺激のある毎日を送れた」

 

 初ものずくめだった今シーズンの最後に、最高の名誉が待っていた。
 5日夜に横浜アリーナで開催されたJリーグの年間表彰式、Jリーグアウォーズのクライマックス。ベストイレブンに選出されていた11人から、野々村芳和チェアマン(51)が個人タイトルのなかでも最高峰に位置する選手の名前を読み上げた。
「最優秀選手賞はヴィッセル神戸、大迫勇也選手です」
 漆黒のタキシード姿の大迫が、まばゆいスポットライトを浴びる。J1リーグで初めて全34試合に出場し、自己最多の22ゴールをマーク。FWアンデルソン・ロペス(30、横浜F・マリノス)とともに初の得点王を獲得し、悲願の初優勝を果たした神戸をけん引し続けた33歳のベテランは、初めて手にしたMVPに「素直に嬉しい」と胸中を語った。
「神戸のJ1初優勝。素晴らしい歴史に関われて嬉しく思います。1試合たりとも簡単な試合はありませんでした。毎日毎日努力を続け、練習を続けて、最後の最後まで刺激のある毎日を送れました。Jリーグで対戦したチームのみなさん、ありがとうございました」
 文句なしのMVP戴冠だった。
 J1リーグの選手表彰は、全18チームの監督、今シーズンのリーグ戦で17試合以上に出場した選手たちによる互選を実施し、今シーズンは34人が名を連ねた優秀選手賞をまず決める。この時点で大迫は221票を獲得。2位のDFアレクサンダー・ショルツ(31、浦和レッズ)の194票、3位のロペスの161票を抑えてトップに立っていた。
 さらに34人を対象に、野々村チェアマンを筆頭とする選考委員会内で投票を実施。まずベストイレブンを選出し、そのなかから最優秀選手賞を選ぶ。一連の過程で、対戦チームの指揮官や実際にピッチで戦った選手たちによる大迫への最高評価は覆らなかった。
 もっとも、ここで素朴な疑問が頭をもたげてくる。
独ブンデスリーガ2部のヴェルダー・ブレーメンで開幕を迎えた大迫が、神戸へ電撃移籍したのは2021年8月。鹿島アントラーズで19ゴールをあげた2013シーズン以来、約7年半ぶりの国内復帰だったが、その後の軌跡は期待通りだったとは言い難い。

 

関連記事一覧