阪神の佐藤輝明が契約更改した1億5000万円を巡ってSNS上で「上げすぎ」「妥当」と賛否…岡田監督の評価と“覚醒計画”とは?
4月は打率.200と低調。特に6月は打率.179、1本塁打、8打点の大不振で6月25日に2軍落ちを味わった。スタメン落ちとなった6月24日の横浜DeNA戦ではロッカールームに引っ込みベンチで声も出していなかった。岡田監督は、佐藤の野球人としての未来を危惧して、野球に向き合う姿勢を見直させようと、翌日にあえて2軍落ちを命じた。7月も打率.191、3本塁打、9打点と低迷。8月には再びスタメン落ちするなどトンネルを抜けることに苦労した。
最終的な打率も.263で、昨季より.001下がり、得点圏打率は.273で近本、木浪、大山、中野に次いでチーム5位。セイバーメトリクスの勝利貢献指標であるWARは、大山、近本、中野、村上に次ぐ5位。しかも、2軍落ちもあって出場試合数も132試合に留まった。
日本シリーズも日本一の影に隠れたが、打順を6番に下げられ、シリーズ打率.148、0本塁打、1打点と“逆シリーズ男”となってしまっていた。また三塁に固定されたが、失策数20は、ヤクルトの村上宗隆の22に次ぐリーグワースト2位。雑な守備も目立った。
佐藤は、契約更改後の会見で、「打点や、バッティングは、まだまだ納得できる数字じゃないけど、成長できているんじゃないか」と語ったが、その好不調の激しさにファンが「上げすぎ」と苦言を呈するのも無理のないシーズンではあった。
阪神OBの評論家の池田親興氏は、こんな意見を持つ。
「お金を出すのは球団なんだから、そこが査定した数字に外部の人間がごちゃごちゃ言うべきではない。チームトップの本塁打数、打点が示すように優勝に貢献した一人であることは間違いないし、ふさわしい評価だったと思う。もちろん優勝ボーナスというプラスアルファもあるだろう。『1億5000万円に値する活躍をして下さいよ。あなたの活躍が連覇の命運を握っているんですよ』という球団の期待のメッセージも含まれていると思う。そのポテンシャルは、誰が見ても申し分ないのだから、文句を言わせないMVP級の活躍をして、次は3億円の大台を目指すべきだろう」
池田氏の意見が正論だろう。
そして池田氏は来季への課題をこう指摘した。
「年間を通じてバッティングにムラがあり安定感に欠けたという部分をどうにかしなければならない。外角の半速球には対応できるようになり、ツボを作ったが、やはり悪いときは、直球に差し込まれ、インハイ、低めの変化球というボール球に我慢ができない。佐藤の魅力は一発だが、岡田監督は、大きいのを狙う場面、ポイントゲッターとなるべき場面、つながねばならない場面など、状況に応じて、ここ一番での役割をコンスタントにこなすことを求めていると思う。課題は、まだ多いが、それは彼の伸びしろだと捉えることもできると思う」
岡田監督は佐藤の大幅昇給をどう評価しているのだろう。