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2023年現役ドラフト結果
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現役ドラフトで成功した球団と疑問符のつく球団はどこ?…ノムさん“参謀”を務めた元ヤクルト編成部長が独自診断

 今季の愛斗は4、5月に29試合続けて「1番・ライト」でスタメン起用され73試合に出場も、打率.214、4本塁打、15打点に終わった。選球眼の問題に加え、ヤンキースでプレーした新外国人のコルデロの獲得、ルーキー蛭間拓哉の成長もあって愛斗のリストアップを決めたのかもしれないが、“ロッテキラー”で知られる愛斗を獲得できたロッテは、ついていたのかもしれない。
 松井氏は続いて未来先取り型の実質的に交換トレードとなった日ハムとソフトバンクの意図を評価した。
「水谷は身体能力が高く大型外野手として評判だった選手。日ハムは、目のつけどころが違うので、どう化けさせるかが楽しみ。万波や野村に続く素材と評価したのだろう。一方のソフトバンクが獲得したのも、まだ2年目の変則サウスポーの長谷川。こちらは、ワンポイント起用の即戦力に近い評価だろうが、まだ互いに2年先、3年先への期待を含んでのロマン追求型の交換になった」
 水谷瞬は2018年に島根の石見智翠館高からドラフト5位でソフトバンクに指名された22歳の外野手。5年間で1軍出場はないが、ナイジェリア人の父を持つハーフで1m93、99Kgの体格を誇り、長打力に加えて足も速い。未完のロマン砲。
 日ハムの長谷川威展は花咲徳栄高から金沢学院大を経て2021年のドラフト6位で日ハムに入団した変則左腕。1年目から新庄監督に開幕1軍に抜擢されたが、左肘痛などもあって定着できず、今季は、1軍で9試合に投げて防御率1.08でイースタンでは8勝で最多勝タイトルを獲得している。
 また松井氏は、まだプロ0勝と実績はないが、そのポテンシャルが評価されている楽天の内間拓馬を指名した広島をこのグループに付け加えた。沖縄の宜野座高から亜大を経て2020年にドラフト4位で楽天に入団した奪三振率の高い本格右腕だ。
 松井氏は最下位グループに「現役ドラフトは人気のあった選手を抱えた球団から順繰りで指名していくので、残った選手から選ばねばならず、決して球団の意図が正しく反映できるものではない。あくまでも結果論で疑問符のつく獲得になってしまったのが、西武、楽天の2球団だ」として西武、楽天の2球団をあげた。

「中村はプロ10年の中堅。経験を買ったと思うが、年間を通じて戦力になるのか疑問。楽天に移籍した横浜DeNAの桜井は、出番があるなら中継ぎだろうが、伸び悩んでいる印象がある」
 広島から西武に移籍の中村裕太は、先発ローテーに入ったこともある右腕。今季は5試合の登板に留まり、横浜DeNAから楽天に移籍の桜井周斗は、度胸のある左腕だが、今季は1軍登板がなかった。
 松井氏は最後に「言い方は悪いが、現役ドラフト用に余剰戦力を回したのでは?という人選もあった。去年は半分が1年で戦力外となった。選手に活躍の機会を与えるという現役ドラフトの意図をよりくみ取れるようなルール改正が必要かもしれない」と提言した。
(文責・RONSPO編集部)

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