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井上尚弥の左目の下に青タンが…(写真・山口裕朗)
井上尚弥の左目の下に青タンが…(写真・山口裕朗)

え!井上尚弥が殴られた?12.26有明の2階級4団体統一戦の公開練習で左目にできていた“青タン”にビックリ…その理由に秘められたものとは?

 プロボクシングの2階級4団体統一戦(26日・有明アリーナ)に挑むWBC&WBO世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(30、大橋)が15日、横浜の大橋ジムで公開練習を行った。WBAスーパー&IBF同級王者のマーロン・タパレス(31.フィリピン)とのビッグマッチに備えてのスパーリングは過去最多の116ラウンド。井上は「楽勝ムードを吹っ飛ばしたかった。凄まじいモチベーション」と、史上2人目となる偉業達成に万全の準備を終えたことを明かした。

「凄まじいくらいのモチベーションがある」

 

 顔を見た瞬間に「え?」と驚いた。
 なんと無敵のモンスターの左目の下付近に青タンができていたのだ。
「転んじゃったんですよ」
 質疑で記者から、そこを突っ込まれた井上は、いたずらっ子のように笑ってごまかしたが、間違いなくスパーリングでパンチを浴びてできた内出血だ。
「打たせずに打つ」をモットーとする井上にしては非常に珍しい。
 左目に青タンができたということは、右のパンチをもらったということ。タパレスを想定して、サウスポーが相手だから、フックか、ジャブになるが、ヘッドギアをしているので、あの場所の被弾は、おそらく右のジャブ。ゴチャついた際の出会い頭か、それとも、井上が何かを試そうとしたときに打たれたのか。
 無敵チャンプに異常発生? 答えはノー。
 大橋秀行会長が言う
「2人ずつ交代で4人を呼んだメキシコ人のパートナーが強かった。スピード、パワーがあって、打たれ強く、倒されても、ひるまずに向かってくる。カウンターも打ってくるしね。それぞれタイプが違い。パンチの出所も違っていて凄くいい練習になった」
 メキシコから世界ランカーで7月に日本非公認のIBO世界同級王座を獲得したばかりのエリック・ロブレス(23)、世界王者とのスパー経験が豊富で10戦無敗(3分)のホセ・アンヘル・ガルシア(25)ら4人を交代で呼び、過去最多となる116ラウンドのスパーを消化した。
 真吾トレーナーも「青タン? スパー相手が良かったんですよ。しかも階級が上で減量もなく元気一杯で、こちらは減量で疲労が蓄積している状況だからね。いい練習になった。フルトン戦前に80ラウンドほどだったから、116ラウンドは、過去最多のスパー数だと思う。これだけやったという自信に変わる」と、理由を説明した。その傷が示しているものは、タパレス戦に備えて積み重ねた尋常ではないトレーニングの量と質に他ならない。特に井上家では、スパーで全力、本気を出すことが哲学なので、パンチをもらう場面も出てくる。
 スーパーバンタム級に上げ、1.8キロリミットが増えて減量が若干楽になり、体重調整のためではない練習に集中できるようになった。これまでは、週に月曜と木曜の2日間がスパーリーグの日だったが、今回は、月曜、水曜、金曜と3日間に増えた。加えて7月のスティーブン・フルトン(米国)戦前は、左の拳を痛めて試合が延期となりトレーニングのスタートも遅れた。
 だが、今回はアクシデントもなく、井上自身も「練習の量、質、共に前回よりも高めていくという中でラウンド数が増えた。それは試合当日にプラスになる」と、仕上がりに手ごたえを感じている。
 スーパーバンタム級への転級2戦目となりコンディション調整も改善させた。
「前回は少し早く減量に入りすぎた。今回は体重、筋量を残しながら調整している」
 その分、よりパワーが増すのかもしれない。

 

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