練習を公開したタパレスは「勝つ自信は2000%」と豪語(写真・山口裕朗)
なぜ井上尚弥の父真吾トレーナーはタパレスの勝利自信度「2000%」発言を「オーラもない。尚弥が劣っているものは何もない」と一蹴したのか?
いちかばちかの電光石火の速攻を1ラウンドから仕掛けてくるのか、それとも慎重にカウンターを狙いながら“頭脳戦”に徹してくるのか。直前の1か月、スタミナ強化に効果のあるフィリピンの標高1500mの高地バギオ・シティでトレーニングを積んできたことを考えると、後者の戦法で来ると予想する。真吾トレーナーは、どんな戦法を選択してきても対応ができると断言した。
「タパレス次第。気負って早く勝負に来れば、そこで噛み合い、早い決着になる。もし来なければ、じりじりとプレッシャーをかけて崩して、こちらのペースにはめこむ。足を使ってくれば、長引く展開にはなるが、追ってプレッシャーをかけていく」
井上に死角はない。タパレスの2000%の自信はただの妄想なのか。
それでも何が起きるかわからないのがリアルスポーツのボクシングである。
一緒に視察した大橋秀行会長は警戒心を緩めなかった。
「リズム感に非凡なものがある。パンチ力の片鱗は感じる。タイミングとインパクトは、ちょっと普通の選手とは違う。パッキャオは階級を上げて強くなっていったが、彼のスーパーバンタム級と比べるとタパレスの方が強いんじゃないか」
大橋会長はフィリピンの英雄であり、タパレスのプロモーション会社のボスでもある元6階級制覇王者、マニー・パッキャオを引き合いに出した。
「あと何日寝れば試合なんだ?ワクワクするね」
史上2人目となる2階級4団体統一王者が決まる運命のゴングまであと5日。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)