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4月15日のジャッキー・ロビンソン・デーに背番号「42」を付けてプレーする大谷翔平(写真・日刊スポーツ/アフロ)
4月15日のジャッキー・ロビンソン・デーに背番号「42」を付けてプレーする大谷翔平(写真・日刊スポーツ/アフロ)

「いい加減にしろ!」バーランダー弟の大谷翔平を巡る「ドジャースの歴史上最も重要な契約」発言が“大炎上”…「ジャッキー・ロビンソンを忘れるな」

 ドジャースと史上最高額となる10年7億ドル(約1015億円)の契約を結んだ大谷翔平(29)を巡る発言が“大炎上”騒動を引き起こした。サイヤング賞投手であるアストロズのジャスティン・バーランダー(40)の弟で、大の大谷ファンで知られるフォックススポーツのアナリスト、ベン・バーランダー氏(31)が自身の番組内で「ドジャースの歴史上最も重要な契約だ」と発言したことを受けて、人種差別の壁を乗り越えてドジャースで1947年に黒人初の近代メジャーリーガーとなったジャッキー・ロビンソン氏の歴史的意義を冒涜しているとの批判の声があがり炎上騒ぎとなったもの。言葉足らずではすまない問題となっている。

 「ジャッキー・ロビンソン“以来”という言葉を入れるべきだった」

メジャーきっての大谷ファンを自称。そのルーツを取材するために来日したことまであるフォックススポーツアナリストのバーランダー氏の大谷に熱を入れるあまり、配慮に欠いた発言が、SNSやネット上での“大炎上騒動”を引き起こした。
 バーランダー氏は19日に放映された自身の出演番組「Flippin’ Bats Podcast」で、「大谷の契約は、すべてを意味する。これはドジャースの歴史上最も重要な契約だ。これを断言することに問題があるとは思わない。最も重要で、最大で、最も影響力があり、すでに影響をもたらしている」と発言した。
 さらに「大谷と契約したチームは永遠に思い出されることとなり、大谷はエンゼルスとしてではなく、ドジャースの選手として殿堂入りすることになるだろう。ベーブ・ルースはレッドソックスでもプレーしたが、ヤンキースの選手として思い出されている。大谷も、永遠にそうなる。10年後にもそれは終わらない。ドジャースは選手としての大谷に7億ドル(約1015億円)を支払ったのではなく、多くがもたらされることになる大谷の持つブランドに7億ドル(約1015億円)を支払った。フィールド内だけでなく、ブックメーカーでも、今ドジャースのオッズはワールドシリーズ制覇の大本命となっている」などの大谷賛歌を続けた。
 確かに大谷の契約は何から何まで異例だった。7億ドル(約1015億円)は、元チームメートとなったエンゼルスのマイク・トラウトが2019年に結んだ12年4億2650万ドル(約618億円)を超える史上最高額。しかも、ドジャースの贅沢税を軽減して補強費に回せるように、その97%を後払いとし、オプトアウト(契約破棄)もオーナーのマーク・ウォルター氏と、編成本部長のアンドリュー・フリードマン氏が退団した場合にだけ履行できるというド軍愛にあふれた契約を結んだ。
 大谷に入れ込むバーランダー氏が舞い上がるのも無理はないが、17万人を超えるXのフォロワーを持ち、番組のMCを務めるアナリストの「歴史上最も重要な契約」という一言に、SNSやネットが炎上。バーランダー氏の公式Xには批判的なリポストが殺到した。
「極めて影響力のある大谷の契約の評判を落とすことはしないが、ジャッキー・ロビンソンこそがドジャース史上で最も重要な契約選手だ」
「彼は、そこにジャッキー・ロビンソン“以来”という言葉を入れなければならなかっただろう」
「大谷はドジャースにとって歴史的最も重要な契約ではなく、最も高価な契約だと、訂正した方がいいかもしれない。ジャッキー・ロビンソンほど重要なものはない」
 ドジャースの歴史上最も重要な契約は、1945年に契約したジャッキー・ロビンソン氏だ。人種差別の壁を乗り越えて、黒人として初めて近代のメジャーリーグでプレーした。当時は、ドジャース以外の全球団が契約に反対して、対戦拒否の声さえあがる中、ドジャースはロビンソン氏と契約を果たして同年4月15日にデビュー戦を飾った。そのロビンソン氏がメジャーデビューした日は、2004年から「ジャッキー・ロビンソン・デー」とされ、今では、その日は、全選手がロビンソン氏の功績に敬意を表して全球団で永久欠番となっている背番号「42」を着用してプレーしている。ドジャースどころか、メジャーリーグにとって、歴史的に最も重要な契約は、ロビンソン氏の契約だったにもかかわらず、それを無視したバーランダー氏の発言に非難が殺到したのも当然だろう。

 

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