鹿島アントラーズの新監督に決まったランコ・ポポヴィッチ(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
「優勝できると本気で思っているのか?」英断か迷走か。鹿島の新監督にJリーグで優勝実績のないポポヴィッチ氏就任で賛否
国内外で通算20個と、Jリーグの歴史で群を抜く数のタイトルを獲得してきた鹿島だが、優勝カップを掲げたのは2018シーズンのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)が最後。国内三大タイトルに至っては2016年の天皇杯制覇後は7シーズンにわたって途絶えていて、ポポヴィッチ氏は2020シーズン以降で実に5人目の指揮官になる。
吉岡FDの就任直後の2022シーズンに招聘されたスイス出身のレネ・ヴァイラー元監督(50)、今回のセルビア出身のポポヴィッチ監督と黎明期から続くブラジル路線から一変した。ヴァイラー氏をはさんで相馬直樹氏(52)、岩政前監督とOBが登板するもタイトルを手にできていない。それでも、タイトル奪還が至上命題だと同FDは力を込めた。
「常にタイトルを求められるチームだと、ポポヴィッチ監督も理解しています。ただ、結果も大事ですけど、チームのスタイルとして来シーズンは攻守両面でアグレッシブにいきたい。岩政監督のもとで守備の構築はある程度できているので、そこへの上積みとして攻撃をしっかりと構築できればタイトルを狙えると思っています」
鹿島を通じて「アントラーズという偉大なクラブで仕事ができることが、私にとってこの決断をした一番大きな理由です」とコメントを発表したポポヴィッチ新監督は、来年1月のチーム始動前に来日。現在のチームでもタッグを組むミラン・ミリッチ(39)、鹿島OBの中後雅喜(41)の新任コーチとともに、Jリーグ屈指の名門クラブの再建に着手する。
(文責・藤江直人/スポーツライター)